「時間の構造化理論を深める」2023/8/12中嶋宗一教授
久しぶりの対面開催の資格更新研修会、会場は活気にあふれていました。インストラクターになりたての私は、知っている人はいないだろうと覚悟していたのですが、各種zoom講座でご一緒したことのある方が何人もいらして、実際に会ってお話しすることができ、ぐっと距離が縮まり、とてもうれしくなりました。また、同じ目的を持って学ぶ仲間が集まって研鑽しあうことはとても楽しく、充実した時間を過ごすことができました。
研修会の冒頭、講師の中嶋宗一教授が「時間の構造化、この簡単そうではあるが、難しいことを今日は一日学んで行きましょう」とおっしゃいました。会場から、実感のこもった息がもれました。
クループワークを通して、研修は進められました。
午前の部では、次の3点についてグループでまとめ、発表しました。
1. 子供の頃、親から時間のことをどのように言われてきたか振り返ってみる。
2. ゲームとインティマシー(親交・親密)の違いについて考えてみる。3. ゲームをインティマシーに転換するにはどのような気づき・努力が必要か考えてみる。
午後の部では、時間の構造化の6つのカテゴリーを理解するため、ロールプレイを行って、受講者の気付きを促してから、グループ討議に入りました。カテゴリーの特色を表にまとめて発表しましたが、グループで討論し、各カテゴリーを見える化しながら体感することを通して、丁寧に時間の構造化の理解を深めていくことができました。サプライズゲーム・グッドゲームについても学びました。
私が今回の講座全体を通して強く感じたことは、インティマシーは一朝一夕ではおこらないということです。日々、儀式・儀礼、雑談・気晴らし、活動・仕事を通して、相手とたくさんのストローク交換を積み重ね、信頼関係を深く結び、安心・安全な関係を築き、その上で成り立つひとときだ、と言うことです。例えば、自分は親交・親密、相手のためを思ってストロークを与えても、相手との信頼関係が成立していなければ、ハラスメントと言われることがあります。
逆に、信頼関係があれば、口喧嘩をしても、お互いに思っていることを好きなようにぶつけあえるので、最後には「あぁ、そうだったのか」とお互い分かり合えて、スッキリし、ゲームにならずに、気持ちの良い関係を更に築いていけることもあります。また長年連れ添った夫婦であっても、ただそばにいるだけで雑談もできなくなれば、関係は破綻に向かってしまいます。
研修会の最後に、中嶋宗一教授は、まとめとして3項目を示されました。
1. その人の持つ脚本を具体化したのが時間の構造化である。
2. 脚本の書き直しは時間の構造化の転換から始まる。
3. 勝利者の脚本はインティマシータイムをより多く構造化している。
研修会を終えて、私はどのように時間の構造化を始めるべきか考察しました。身の回りのほんの小さなことからで良いので、自分を認め、自分で考え、自分で決めて、自分の思いを伝えるようにしたいと思います。自律性を持って行動し、交流分析の哲学を胸に、身近な人と信頼関係を築いていきたいと思います。そして、小さな経験を積み重ねた先に、インティマシータイムをより多く構造化していきたいとあらためて思っています。今回の研修会を受講して、交流分析士インストラクターとして、学びを深めることができたと思います。
講師の中嶋宗一教授をはじめ、事務局のみなさん、そして、受講者のみなさんに感謝申し上げます。また、私に自由な時間を与えてくれた家族にも感謝しています。
(交流分析士インストラクター 野上朋子)
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