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私が一番好きなきもの

きもの学院で講師をしていたので、きものはたくさん持っているのですが、一番好きなきものは決して高価なものではなく、とても素朴なきものです。

反物はヤフオクで、確か、5000円くらいだったでしょうか?

小千谷紬(縮ではない)多分、むかしの野良着のようなものなのかな?くず繭で織られたものかと。藍の杢無地でジーンズのような趣き。折りたたんだ反物の端を糸で止めてあるだけ。その姿のまま、どこかでずーっと眠っていたのでしょう。中の状態もわからなかったのですが、洗い張りをして、和裁教室で自分で縫いました。証紙もボロボロで、文字が右から書かれていたので、大正から昭和初期のものだと思います。

縫っている時からこのきものを好きでした。生地が柔らかくて、とても縫いやすかったし、その風合いが何とも言えず、気持ちいい。

生地感ってたいせつですよね。きものは色や柄に好みが出るけれど、触った時の感覚とか、すごく大事だと思う。

こういう感覚は、店舗や展示会などでいろいろなきものを見たり、触ったり、肩にかけたり、試着したりしているうちにわかってくる。

怖いね。

だって
試着しようものなら、買うと言うまで、脱がせてくれないかもしれない。
(そんなお店ばかりではありませんが)

逆に買う気もないのに、試着しまくるのもどうか。


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