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羽織ものについて

きものを着た時のアウターですね。

きものをおしゃれ着として着はじめたころ、ただ嬉しくて、帯付き(羽織ものを着ないで、帯が見える状態)で歩いていました。

もちろん寒くなると、家にある羽織や道行を引っ張り出してきて着ていました。道行(みちゆき)を初めて着た時、かわいい〜って思いましたよ。なんていうか、奥さま感が出てました。

そのうち、寒くない季節でも、お出かけの際は、羽織ものを着るのがマナーだと教わり、昭和時代の母の羽織や道行が野暮ったく見えて、道中着を着ました。

塵よけという言葉も初めて知りました。
訪問先に外の塵や埃を持ち込まないために着るものなんですね。

現在は、きものの楽しみ方も自由ですから、別に、帯付きで歩いていたって全然構わないと思います。とにかく暑いのに、何枚も重ねて着たら、さらに暑いじゃないですか。

そんな中、あえて羽織ものを着ることで、こなれ感が出て、上級者の着こなしになるような感じもしています。

帯結びに自信ないけど、羽織を着ているから大丈夫なんていう人もいました。

いま、かっこいいと思うアウターは、羽織かな。長いやつ。

昭和時代の羽織は羽尺という、短い反物で作られていたんです。だから着丈が短い。今は羽尺は作られておらず、着尺という、きものを作るための反物から羽織も作られているんですね。残布が出るので、バッグにしたり、ショールにしたり。

昭和以前の羽織は長羽織(着丈は90〜100cm以上)なので、アンティークの長羽織を上手に着こなしておられる方もたくさんお見かけします。

羽織は前が開いていて、帯や帯揚げ、帯締め、帯留めなんかも見えるし、羽織紐でも遊べる。前開きになっているので、ビジュアル的に縦長効果も期待できる。脱いだ時に初めて見える、羽裏にも凝って、おしゃれしてみたいです。もちろん単衣の羽織も軽くていいよね。きものや帯が透けて見える、薄物、オーガンジーやレースの羽織も一枚は欲しい。

道中着は、カジュアルな装いにはいいけれど、羽織はすこしあらたまった装い、キレイめの装いにもいける。屋内に入っても、コートではないので、脱がなくてもいいのも魅力。洋服で言うと、ジャケットのような感覚ですね。

フォーマルな装いには道行がいいけれど、結婚式などは、式場で着付けてもらってそのまま列席となればアウターは必要ないし、お宮詣りや七五三などでは、アウター着たままの参拝はないですから、茶華道など習い事のためにきものを着る人以外は、必須アイテムではないかもしれません。

推しは長羽織で。




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