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無名の手技

日本刺繍をはじめて、いろんなタイプのルーペを買った。

自立するルーペ
ライトがついたルーペなどなど。

見えないから、繍えない。
繍えないと、悲しい。
それは、ものすごいストレス。

結局、普段かけている眼鏡の上から、ハヅキルーベをかけるのが一番よく見えるということに落ち着いた。

紅会の創設者、齋藤 馨さんの
「手は精神の出口である」という言葉が大好きです。

手がアウトプットならば、目がインプットなんだなーと思うわけで。

美しいものを見て、自分の中に取り込んで、そしてまた、もっと美しいものとして表現したいのね、私は。

さて

紅会に通っておられる方々は、
ほとんどが普通の主婦です。
刺繍が好きで、難しい、うまくいかないと嘆きながらも、針を持つ手を止めない。外を歩いているときは、なんか大きな荷物を持っているけど、何をするための荷物か、一般の方には、想像できないし、多分興味もないでしょう。
けれどもその中身を見たら、おそらく誰もが驚くに違いない。

技術がすごいし、根気がすごい。
一糸乱れぬ糸の並び
美しい色彩、
伝統的かつ格調高い文様
絹糸の独特な輝き
そして愛すべき、日本の四季。

みんなすごい、すごいのに
誰でもない、普通の
刺繍が好きというだけの人々

尊い。

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