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「蓮ノ空」のリリックビデオを観てくれ!

とりあえずこちらをご覧ください。


■蓮ノ空のリリックビデオ

 ラブライブ!シリーズの最新作「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」が目下活動中です。アプリ「Link! Like! ラブライブ」でリアルタイムに展開していくと言うのが蓮ノ空の大きな特徴ですが、リリックビデオ文化も蓮ノ空の特徴と思います。

 ラブライブ!シリーズは楽曲のライブがメインコンテンツであり、今まではキャストによる実写ライブキャラによるアニメ+CGのライブのという2本立てになっていました。しかし蓮ノ空では第3のビールならぬ第3の表現としてリリックビデオを精力的に制作しています。

 一般的にリリックビデオというのはピンキリで、既存の立ち絵にカラオケの背景みたいなCGを重ねただけのような物もありますが、蓮ノ空では1つの作品と言って良いほど芸術性の高いものが制作されています。楽曲自体の良さに加えてイラストレーターさんと映像クリエイターさんのセンスが光っています。イラストは公式絵から少し外れる裁量が与えられているのも良いです。

 蓮ノ空の公式Youtubeチャンネルに再生リストがあり全て公開されているのですが、存在を知らない方もいると思いますので布教の為に特にオススメのリリックビデオを紹介したいと思います。

■オススメリリックビデオ紹介

「ココン東西」  
歌:みらくらぱーく!(Mira-Cra Park!)  
[大沢瑠璃乃(CV.菅 叶和)、藤島 慈(CV.月音こな)]  
作詞:ろさ  
作曲・編曲:Ryu  
llustration:kodamazon
Movie:筆者

 スチームパンク風の衣装が可愛いくて、特にサビでリズムに合わせて上下に揺れるのが良いです。ダメージ●pointの所とか歌詞に合わせた表現がどんどん出てきて飽きさせません。

Damage 100 point

「Mirage Voyage」  
歌:DOLLCHESTRA(村野さやか、夕霧綴理)  
作詞:TATSUNE  
作曲:Kanata Okajima、Hayato Yamamoto  
編曲:Hayato Yamamoto
llustration:イコモチ
Movie:野良いぬ

 公式絵より少し幼めの絵が可愛いです。謎の水面に球体が浮いてる空間で展開されますが、水の動きがやたらリアルです。

水面がリアル

「ハクチューアラモード」  
歌:みらくらぱーく!(Mira-Cra Park!)  
[大沢瑠璃乃(CV.菅 叶和)、藤島 慈(CV.月音こな)]  
作詞・作曲・編曲:ナユタン星人  
llustration:にもし
Movie:aco

 終始パステルカラーで楽曲の世界観が表現されています。CGのケーキとともに、アクスタのように動くキャラが可愛いです。

アクスタのように動くキャラ

「レディバグ」
歌:DOLLCHESTRA [村野 さやか、夕霧 綴理、徒町 小鈴]
作詞:TATSUNE
作曲:渡辺拓也
編曲:鈴木雅也
Illustration:美和野らぐ
Movie:筆者

 DOLLCHESTRAの3人が歩いているようなシーンがあり、普段こんな風に歩いてるんだと世界観が広がります。また、さやかが中心に据えられて、綴理は少し引いたポジションなのが今後を暗示している気がします。

草むらを歩くドルケ

「DEEPNESS」
歌:蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ
日野下 花帆(CV.楡井希実)、乙宗 梢(CV.花宮初奈)
村野 さやか(CV.野中ここな)、夕霧 綴理(CV.佐々木琴子)
作詞:桃宇アリサ
作曲:古河 夕
編曲:EFFY
llustration:れおえん
Movie:筆者

 他のリリックビデオとは一線を画すかっこいいイラスト。目が白く光ったりしてとにかく普通じゃないです。曲中もめまぐるしく模様が動いたりして、作曲者である天才・夕霧綴理の脳内を覗いているかのような感覚になります。

カッコいい
目が白く光る作曲者
もう色々すごい

「眩耀夜行(げんようやこう)」
歌:スリーズブーケ(Cerise Bouquet)
日野下 花帆(CV.楡井希実)、乙宗 梢(CV.花宮初奈)  
作詞:ケリー  
作曲:小野寺祐輔(Arte Refact)  
編曲:脇 眞富(Arte Refact)  
llustration:藤ちょこ
Movie:佐久間よる

 冒頭でも紹介した眩耀夜行です。曲の良さはもちろんですが、歌詞を汲み取った映像作りが素晴らしいです。

このまま遠くへ
川沿い下って行けるとこまで

 この歌詞を表すかのようにサビでは金沢を彷彿とさせる川沿いの古い町並みを高速で飛んでいきます。曲の疾走感をCGでさらに補強した形です。

川沿いを飛んで疾走感を演出

 そして落ちサビでは花火が打ちあがって映像に動きと盛り上がりを与えます。けれども歌詞には花火なんて一言も出てこないんです。

花火

 眩耀夜行 = 眩しい夜を行く?
 いつもより賑わっている橋の上 = お祭り?
 街中が空を余所見する間に = 花火?!

と考えると花火が連想されてきます。歌詞には流れ星という単語は出てくるので流星群か何かを観に行くという解釈もあるのかもしれませんが、このリリックビデオで花火を観に行ったというイメージが固まりました。

さらに

固く繋いだこの手はもう離さない

ビデオの中で花帆と梢は並んで立っています。最初2人の手は隠れているのですが……

手が見えない

落ちサビでは手を繋いでいます!! こいつらやりやがった!

手を繋いでいる!

これでこの曲のストーリーが完成しました。

友達以上恋人未満の2人はお祭りをダシにデートに誘う。
多くの人たちにとってメインイベントは花火ですが、2人にとっては相手がメインであり、他の人たちは空の花火に余所見をしているように見えるわけです。

大勢の人でごった返しているお祭り会場から2人きりの世界に行きたい。もっと言えば逃避行のように誰もいないところに行きたい。

そして片方が相手の手を握って連れ出すわけです。
先輩の梢の方がリードして連れ出したのか、後輩の花帆の方が連れ出したのか。それは視聴者の想像に委ねられますが、歌割りと絵から花帆優位にも見えます。

そんな甘酸っぱい2人の関係性がこのリリックビデオから伝わってくるわけです。

 これは普通のライブパフォーマンスでは得られない感覚であり、リリックビデオの醍醐味と言えます。曲、歌詞、歌唱、イラスト、映像の全てが高次元で融合した映像作品です。

■おわりに

 蓮ノ空は他にもリリックビデオが沢山ありますのでぜひ観てもらいたいです。もう観た人も出来るだけ大画面で見てもらいたいです。イラストの筆遣いとか、細部まで見所があります。ライブやFes×LIVEの開演前のスクリーンで流したら良いんじゃないかと思ってます。

 ライブやアニメに比べれば比較的安価に制作できるリリックビデオですが、蓮ノ空は限られたリソースをセンスでカバーして芸術性の高い作品を連発しており、リリックビデオ文化と言えるほどの文化を作り出しています。ぜひこれからも作りつづけて欲しいです。(そしてもっとアピールすべし!)


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