車掌が見つけるその頃

都心に向かう車両のなか、十代の、赤くうすく四角い宝石は 座席の下に闇を吸って反射光を吸ってひかりを吸っておさまって、本当のことを隠すための仕事を終えた顔をしている。
冊子のあいだに挟まっては、傷がつく事もないだろう。


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