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笑う君へ 第六話 「親睦」

賀:彼、バスケで期待されてた選手だったよ

  色々あって世代別代表で引退したけど...

  私がやってた時期にバスケしてて知らない人はいなかったよ

田:言われてみれば名前聞いたことあるかも...

賀:日本のダイヤ、じゃない

田:あ~、そうそれ

  大野をダイヤって読んだってことだったんだね

  何でやめちゃったのかな...

賀:嫌がらせがあったみたいな話だったよ

田:ふ~ん、残念

  てか、かっきー、詳しくない?

賀:え、そうでもないんじゃない?

田:ほんと?

  実は憧れてたとかじゃないの?

賀:う~ん、それは合ってるかも笑

遠:二人とも~はやく~

田:あ、急がなきゃ



車に駆け込み、事務所へと向かう



遠:二人は何話してたの?

田:大野君のこと、かっきーが知っててね

遠:え、かっきーもチャコールさん知ってたの?

賀:いや、それは知らなかったよ

遠:他にも何かしてるんですか?

○:いや、思いつくようなことは何も…

  なんだろう、会ってわかることですよね?

賀:その、昔、バスケやってて...

○:あ~、それですか?

  よくわかりましたね、だいぶ前ですけど

田:だって、憧れの人だったんだもんね~

賀:ちょっと、まゆたん!

○:ははっ、それは嬉しいですね

マ:ちょっとマネージャーとして見逃せない発言ね

○:大丈夫ですよ、こんな可愛い子たちに手を出す度胸なんてないですから

マ:本当かな?

  今、世間的にも騒がれている時期だからしっかりして頂戴

三人:は~い

マ:あ、もうつくわね

  三人は先に部屋に行ってて

  私は彼の入館と色んな手続き一緒にやっていくから

三人:はい



そういって車に残される○○



○:さっきの話ですか?

マ:そう、気を付けてね

  5期生のごたごたで今すごい叩かれようだから

○:分かってますよ、僕もちょっと前に一応社員契約しましたから

  何かあったら同級生兼マネージャーとして乗り切ります

マ:上の人たちはすごいわね、大学の生徒を引きずり込んじゃうんだから

  けどくれぐれも間違いは起こさないこと、いいね?

○:はい、一社員として

マ:おっけー

  でも、君も学生生活楽しみなさい

  人生の先輩としての助言よ

○:はい

マ:じゃあ女の子と話してこーい

○:それはいいんですか?

マ:会社には内緒よ フフッ


〜〜〜〜〜

コンコン



田:はーい



中に入るとなぜか涙目の賀喜さんと遠藤さん、

そして苦笑気味の田村さんがいた



○:えっと、何があったの??

田:実はね...


賀喜さんが僕の過去を二人に話していたら泣き始め、

つられて遠藤さんも泣いてしまったとのこと



田:私もすごいなとも大変だったなとも思ったけど、その、

○:いや、こんなになるとは思ってないから大丈夫ですよ

田:うん、でも、同い年なんでしょ、二人とは

○:そうなんですかね、自分2001年生まれですけど...

賀:はっ!


急にスマホを取り出し何やら調べ始める賀喜さん



賀:そうじゃん、大野君、今日誕生日でしょ!

遠:ええ!

田:かっきー先に言ってくれないと

賀:む、無理だよ、知らなかったし

  (本当はただ忘れてただけだけど)

  とりあえず、ケーキ買ってこよう!

遠:大野君、待ってて

  あ、まゆたん、一緒にお話して待ってて



○:いつもこんなに賑やかなんですか?

田:二人があんなに元気なのは珍しいよ

  とくにさくちゃんはあんまり話しかけないのに

  よほど凄いモデルだったりするの?

○:いやいや、皆さんの足元にも及びませんよ

田:ほんとかなあ

  ちょっと見せてよ、インスタ

○:まあいいですけど



iPadを取り出し、ロックを解除する


田:うわ、フォロワー20万人超えてるじゃん

  これって凄いんじゃないの?

○:ありがたい限りですよ

  色んな服上げるんで男女関係なくフォローしてくれてるみたいで

田:それが凄いんだと思うけどな

  うわ、おしゃれなコーディネート!


ピコン


田:あ、あの、お、大野くん...

○:はい、田村さん

  通知見えましたよね?

田:で、で、でも不可抗力じゃないかな、これは??

○:大丈夫ですよ、ただ、誰にも言わないでくださいね



「jordan ブランド 新作プロモーションについて」



田:大野君って何者?

○:昔の伝手でいろいろやらせてもらえてるだけですよ

田:ふ、ふ~ん…

○:そんなに引かないでくださいよ

田:大学の同級生がジョーダンの新作開発に関わってたら驚くでしょ!

○:自分も乃木坂が同級生で驚いてますよ

田:その割に全然緊張してるように見えないんだけど

○:それは感情コントロールを勉強しましたから

田:どういうこと?

○:自分、中三の秋からアメリカ行ってたんですよ、治療目的で

  そこで治療の一環で感情のコントロールと演技とか諸々学びました

  だから、緊張を表に出さないとか得意なんですよ

田:演技も学ぶの?

○:ちょっと変わった治療ではありましたが…

  メソッド演技で色んな人と感情の内面を理解できたと思ってますよ

田:何か作品は出なかったの?

○:あっちの短編で出たことはありますよ

  日本戻ってからはないですけど

田:それ、見れないの?

○:いや、見せたくないですね、あんまり

  結構生々しくて、知り合いに見せるもんじゃないんで

田:じゃあ、もっと仲良くなったら見せてよね

○:考えておきますよ

田:じゃあまずはタメ語ではなそ

  さっきから距離感凄い感じるんだけど

○:…じゃあ、真佑はどうやって話してほしいの?

田:え...//

○:嘘嘘、タメね、おっけー

田:ちょっと、さっきのは何よ

○:演技だよ、演技

  何、ドキドキしちゃったの?

田:馬鹿にして~、年上なんですけど??

○:そーゆーとこよ、馬鹿にされるのは笑

  けど、話しかけてくれてありがとね

田:いやいや、こっちも色々聞いちゃってごめんね?

○:全然、むしろ距離縮まって嬉しいですよ


ガチャ


賀:たっだいま~

遠:お誕生日おめでとう パン

○:ありがとう

賀:はい、これケーキ

  近くのコンビニで買ったやつだけど

○:嬉しいよ、食べちゃっていいの?

賀:うん、いい...よ...

○:なんかダメそうだけど笑

遠:いや、話し方がフランクになってるから

田:私がお願いしたの~

  仲良くなったら、出演作品見せてくれるって言ってたから

賀:え、何それ、見たい!

  というか、俳優さんなの?

○:ちょっとだけ経験あるってだけよ

田:私たちと話すのも緊張するのに隠せるんだって

  もっと照れてくれたら面白いのに~

賀:あ、じゃあ、ケーキ食べさせてあげるよ

  照れたら大野君の負けね~

○:ちょっとまて、距離感の詰め方おかしいだろ

  まず、課題やらないと



「個人目標、班目標を作成し、次週発表すること」


田:後でいいじゃん

○:いや、仕事あるんじゃないの、この後

田:まあ、そうだけど...

賀:じゃあ、班目標はみんなで仲良くすることで

  個人目標は各々やっておこ

  そのためにもケーキを食べないといけないね

遠:演技も見たいし、仕事も何してるのか教えてもらわないと

  仕事終わりに大野君の家に行こうよ!

○:そんなんダメだろ

田:ドキドキしないんじゃないの~?

○:してはいるんだよ

田:照れた姿見せてくれないと



ガチャ



マ:ちょっと大野君今大丈夫?

○:あ、はい

マ:さっき忘れてたことあるから付いてきて

○:はい

  それじゃ、また来週~

  ケーキ家で食べるわ、ありがとね~



ガチャ



田:ねえ、二人は大野君のこと好きなの?

賀:それって異性としてってことだよね?

田:うん

賀:う~ん、どうなんだろ、憧れ、って感じだからちょっと違う気がする

  それにまともな同年代の男性に会うの久しぶりで

  その感情自体よくわかんない

遠:私もそうかも

  飛鳥さんから教えてもらって

  すごい褒められてたから気になったって感じで

  男性だからどうってことはないかなぁ

田:ふ~ん

  最近にしては珍しくテンション上がってたからもしかしてと思ったけど

  まあ、私も含めて、そんなもんだよね

遠:う~ん、学生って難しいね笑

賀:けどさ、何やってるかは気になるよね

  来週、発表の時にさ...

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