85 気持ちを無視する修行

 悩みや問題が何もなく、心は平穏で、いつでも能力をフルに発揮して生きられる。そんな人生にするために、大脳を開発しましょう。原始脳の指令を無視して大脳を働かせるようにするのです。原始脳には理解能力がない。存在欲と恐怖感という感情で働く。自己主張でわがままで、のちに起こる結果を推測することも不可能です。大脳皮質は考える能力を持っているし、世間の情報も知っているのです。無智で感情の塊になっている原始脳の指令で働くと人生は大失敗するに決まっているのです。原始脳の指令を無視して大脳を使う訓練をしてみましょう。今、勉強する気はありません。遊んでふざけたいという気持ちです。その気持ちの指令を無視する。大脳は時間を無駄にしないで勉強するべきであると知っています。それに従って勉強します。勉強することから充実感を感じるようにします。 感情的に表れる、寝たい、怠けたい、遊びたい、自我を張りたい、攻撃したいなどなどの感情も、このように無視することにしましょう。「感情を抑えて理性を優先にする」という言葉で覚えておけばよいのです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第2章 仏教の教えを理解する《修行》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版

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