見出し画像

253 真理に従う生き方

 真理とは主観で行動するのではなく、法則に従うことです。真理というのは主観ではあり ません。

 たとえば、俗世間では「殺すなかれ」は認めますが、敵に対しては、場合によっては戦争して殺さなくてはならないと思ったりもします。これが世間の正義です。仏教が言うのは、「一切の生命は殺されることを嫌がる」という法則があるのだ、ということです。

 どんな生命も、何がなんでも殺されたくないのです。殺されることを、とにかく第一に嫌がります。仏教では、「生きる」のは「生命の権利」です。「生命を奪うことは、誰にもできない」というのが法則に従った真理の生き方です。

 したがって真理に従うならば、「生命を奪うこと」は違法です。だから仏教では「殺すなかれ」なのです。

 戦争は不可能です。日本でもアメリカでも殺すことは違法ですが、場合によっては仕方がない、ということになっています。仏教では「殺すなかれ」は法則なので、勝手に変えられません。

 「場合によって、地球は四角い」と言うことはできないのと同じです。

『一分で読むブッダの教え』第5章 仏教が教える「生きること」の本質《真理の法則》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【平和の生滅 生存の矛盾を超えて お釈迦さまが教えたこと2, 2006年 p169】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?