174 赤ちゃんの存在欲と怯えに理屈はない

 生まれてすぐの赤ちゃんを見てください。「生きていきたい」というのと、すごい怯えが両方、入っています。最初は誰が抱っこしても大丈夫です。周りを見ないからです。生まれた当初は、けっこう看護師さんなどが抱っこして面倒を見てあげているものですが、そのころはまったく世界を見ていません。世界を見始めると、お母さんしかお世話しにくい、お母さんでないと嫌がる時期を迎えます。それから何とか苦労して徐々に馴らしていって、お父さんもあやせるようになりますそれからさらに苦労して、おばあさんやおじいさんもちょっかいを出してかわいがることができるようになります。どうして、誰もが簡単に触ったりかわいがったりできないかというと、赤ちゃんに怯えがあるからです。この赤ちゃんの怯えに理屈はないのです。「なぜ、あなたはそんなに怖くなるの?」と聞いても、これという理由はありません。ただ、原始脳による存在欲と怯えが基本的な衝動だからにすぎません。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《子育て》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【心を整える8つの脳開発プログラム 悩みを生み出す 「大脳」と「原始脳」の メカニズム』 (2015年) p50】

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