234 慈悲喜捨とは?

 間違ったOSである貪瞋痴の代わりに、心に慈悲喜捨を入れると、生き方が変わります。
慈悲喜捨の慈(メッター)は「みんな友達です」という意味です。犬であろうが、猫であろうが仲間であって、友達です。友情で仲間として、他の生命を見る気持ちです。悲(カルナー)というのは、他の生命を助けることです。「苦しんでいるな」と気づいたら「これはいけない、助けなければ」と助けてあげる。これは義務なのです。人が二人いれば、一人には何かしら困っていることがあります。すると、もう一人は自然に、その人のことを助けなくてはいけないのです。利他ですが、大げさに考えることはありません。自然法則です。当たり前のことなのです。赤ちゃんが泣いていたら、自然に抱っこしてあげるでしょう。それと同じです。喜(ムディター)は文字通り「喜び」です。これは嫉妬の反対です。自分以外の人ががん
ばっているのを見て「ああよかったねえ」と喜びを感じるのです。そうすると自分の脳に幸福感を司る化学物質が生まれます。捨(ウペッカー) とは、落ち着いて、生命は平等であると知ることです。生命に上下はなく、 一切の区別もなく、差別もなく、生命は一つである、と知るのです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《慈しみ》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【仏教と科学が発見した 「幸せの法則」 - 「心」と「私」のメカニズムを解き明かす p221】

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