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278 老病死を素直に認める人こそが、幸せに生きられる

 皆さんは、健康こそが何よりも大切だ、絶対に病気になりたくない、老いぼれたくないと思っていらっしゃるかもしれません。「当たり前だろう、健康になりたいのは当然ではないか!」とさっそく怒られるかもしれませんが、仏教の立場からいうと、そういった発想自体に相当な勘違いがあります。なぜかといえば、人間が一秒ずつ秒ずつ、刻々と間違いなく年をとっていくこと―それはとどまることがないからです。我々の身体の全細胞は、一人の例外もなく一瞬一瞬老化していきます。年をとるにしたがって、いろいろな身体の機能や働きはだんだん活動しなくなります。やがて身体のシステムがうまく動かなくなって、いつか必ず死を迎えます。その流れを止めることは誰にもできません。傑出した能力のある人でも、その流れを止めることはできない。どんなに最先端の医学を学んだ人でも、超科学といわれる分野に精通した人でも、年をとらない、死なないという奇跡を起こすことはできないのです。お釈迦様はこの、年をとる、老化する、死に向かって生きていくという現実をそのまま素直に認め、認識できる人こそ、この世で最も幸せに生きられる人であると言っています。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第5章 老病死に向き合い、人生を豊かにする《病気》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【まさか「老病死に勝つ方法」があったとはブッダが説く心と健康の因果法則 (2008年) (改題 「老病死に勝つブッダの智慧 心と健康の因果法則」2017年 p28)

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