191 出しゃばらないこと

 慈悲を邪魔するのはエゴの錯覚です。エゴの世界にいるから、「慢」が出てくるのです。「慢」とは、自分を評価する心です。必ず、他の人と比べて評価します。本当は、他人との比較は不可能です。海の水は比較できますか? お前より私のほうがすごい、私のほうが駄目だなどと海の水一滴ずつが主張し合っていたらどうでしょう? 何の意味もありませんね。私たちは、生命という巨大な海の一滴という存在にすぎません。出しゃばらないほうがいいのです。そういうことで、上でもなく、同じでもなく、下でもありません。誰とも比較しない気持ちが生まれたら、そこに智慧も慈しみも完成しているのです。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《正しい生き方》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【慈悲の瞑想 (フルバージョン〕 人生を開花させる慈しみ p165】

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