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108 迷惑はお互い様

 みんな自分なりに「これくらいなら迷惑じゃないだろう」と思って生きています。迷惑をかけないようにしようと思いながら、迷惑をかけてしまっているのです。みんなお互い様です。そこで私が「あなたの行動は迷惑だ」と文句を言っても、仕方がないでしょう? 相手のわがままが通れば私に迷惑、私のわがままが通れば相手に迷惑ですから、中間を取って迷惑の量をできるだけ減らすしかありません。まったく迷惑を受けずに生きるということは、人間のあいだでは成り立ちません。実際、それを理解してしまうと、たいていのことは、気にならなくなってしまうのです。 おばあちゃんが大きな荷物を持って満員電車に乗ってきたら、周りはかなり迷惑かもしれません。けれど、おばあちゃんの立場で考えると、まあ許してあげようか、という気持ちが生まれてくるでしょう。そんなふうに他人のことをやさしく見るようにしてみてください。「他人が自分に迷惑をかける」と文句を言うのではなく、相手の立場、言い分を理解するのです。『一分で読むブッダの教え』第2章 心の正体を知れば、人は成長することができる 《心を育てる》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【心は病気 役立つ初期仏教法話2」 (サンガ新書2006年) p145】

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