114 無執着になれば安穏に達する

 対象はなんでもよいので、客観的に観察します。その対象が変化して変わっていきます。どんどん別な現象に変わっていくのです。無常とは、現象が常に変化しつつ、変わりつつ、であることです。赤ちゃんは子供に、若者に、中年に、老人に変わっていって、最期に、死体になります。籾(もみ)は米に、米はご飯に、ご飯はさまざまなものに変わっていきます。籾と米は同じものではありません。米とご飯も同じものではありません。そして、まったく関係のない、別なものだとも言えません。よく観察してみると、無常だから生きているのだと分かります。瞬間瞬間、身体と心が変わらないと、生きているとは言えません。三十秒くらいでも心臓が止まったら、どうなることでしょうか。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第2章 仏教の教えを理解する《無常》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの実践心理学 第七巻 瞑想と語りの分析 三相:① 無常相anicca-lakkhaṇa】

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