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149 性格の合う・合わないを認める

 性格が合わない存在があることを認めましょう。無理に合わせなくてもいい、いじめや差別だけはやめなさい、ということなのです。ある人のことを気に入らないのは理屈ではなく気持ちだけのことですから、それはそっとしておくしかありません。

 我々坊主たちは「こいつのこと、嫌いだ」という気持ちが出てきたら、「お前は坊主でしょう? 生命を平等に見るべき仕事ではないか。誰かを嫌うなんて、嫌いだと思う自分がみっともないんだ」と自分に言います。それから、「相手は一生懸命頑張っている、我が身を一番かわいいと思っている生命ではないか」と観察して、自分を強く戒(いまし)めます。そうすると、嫌な気持ちが消えてしまいます。

 面白いことに、自分の「嫌い」な気持ちが消えたとたん、以前は嫌いだった人が、ぴったり気の合う仲間になってしまうのです。お互い気に入られるように頑張るからです。はじめから嫌いなやつだから、こちらも向こうも気に入られるように努力する。そうやって一つずつ、はめていくのです。

 本当はどんな生命でも平等に見られることが一番クールで、かっこいいことなのです。

『一分で読むブッダの教え』第3章 人生の悩みは、仏教で解決する《人間関係》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【いまここに生きる智慧シスターが長老に聞きたかったこと 鈴木秀子氏との共著(2007年) p89】

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