212 「明るい明日」は永遠に来ない

 私たちはいつでも、「明るい明日がある」と思って生きています。これは明るい言葉だと思い込んでいます。誰も気がつかないことですが、「明るい明日がある」なんて、明るいどころか、本当はとても暗い概念なのです。「明日は、きっと明るいはずだ」ということは、今日は、いま生きているこの瞬間は、残念ながら「暗い」ということですから。「明るい明日がある」などという言葉は、俗世間では通用するかもしれません。しかし仏教から見れば、「明るい明日のために頑張ろう」と言っても、明日は永遠に明日なのですから、「今日、いま現在は、永遠に暗いままだ」ということでしかないのです。「今日、たった今から、すぐ明るくしよう」でなければ、意味がありません。生きているのは、今、この瞬間だけですから。『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《今を生きる》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【Ⅱ「ブッダの実践心理学 第二巻 心の分析」 藤本晃氏との共著(2006年) p56】

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