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『MS-DOSテキストデータ料理学』 (2120文字)

 『MS-DOS敵視とデータ料理学』(株式会社翔泳社 1500円)は、私がパソコンをはじめて数年経った頃に買った本です。
 当時はまだWINDOWS3.1が発売されておらず、MS-DOSは3.3くらいだったと思います。そもそもMS-DOSを「ムスドス」と呼ぶ人がまだいました。

 この本は、題名通りテキストデータ(文字コードだけで構成されたデータ)の検索・加工・出力について描かれています。
 この本ではUNIXのツールでテキストデータを検索する事例を多く説明しています。
 この本を読んで猛烈にUNIXを使いたくなりましたが、私は大学にも研究所にも関係のない単なるMS-DOSユーザでしたから、MS-DOSのツールをバッチファイルを作ることに頑張るしかありませんでした。

 テキストデータだけで構成されたファイルをテキストファイルといいますが、この「データ」と「ファイル」の用法を混同している人が少なくありません。はじめのうちは一々訂正していましたが、今は「誤用が定着して行く様を見ているのだ。」と考えることにして放置しています。

 こういう感じでパソコンの知識を身につけてきたので、WINDOWSの時代になり、「(エクセルの)オートサムも知らないのか。」などと言われると「ええ、一々マウスに持ち替えていては、時間がもったいないから関数も変数も手打ちしていますからね。」と言い返します。
 パソコンを覚えはじめという人はそういう生意気なことを言いませんが、少し覚えてきて調子に乗っている人は、とくに先輩風を吹かしたい人は小バカにしたようなことを言います。そういうときは、実力差を見せ付けるようにしています。

 表計算ソフトで計算したいデータを、テキストファイルにして表計算ソフトで読み込み集計することは、相当古いパソコンでもできます。
 あるとき、ちょっと大掛かりな仕事があり、私が使うWINDOWSのパソコン1台と廃棄寸前のMS-DOSパソコン数台でやったことがあります。大掛かりといっても、集計するデータ量が膨大だっただけですので、私とアルバイトの女子と新人だけの数名でやりました。
 やることは、大量の紙に印刷された日付と金額をパソコンに打ち込み、集計するという単純な作業です。
 業務のコンピュータ化の過渡期にはよくこういうことがありました。
 作業内容は単純でしたが集計対象が膨大だったので誰もが二の足を踏んでいたのです。

 生意気な先輩たちは、「ほんとにできるのかぁ。」などと自分はやりもしないのにそういうことばかり言っていました。

 MS-DOSパソコンで入力をしてもらう人たち(アルバイトの女子と新人ら)には、エディタ(パソコン雑誌の付録にあったフリーソフト)を使ってあらかじめ決めた書式どおりに入力しCSV(カンマセパレーテッドバリュー。「,」で値(あたい。日付や入金額や出金額など)を区切ったデータ形式。)ファイルを作っていく際に、書式を厳守することと、自分の考えは一切入れず何か考えが浮かんだらまず私に相談し私の許可を待つことを徹底しました。
 書式は、最初に日付を西暦半角8文字(20000101(西暦2000年1月1日)のように)で入力し、半角カンマを打ち、次に最初の金額を半角数字(10000のように)で打ち(¥とか桁を区切るカンマは入れない)、・・・、のように決め厳守させました。ここでスペースを挿入したり改行したりなど変に自主性を発揮されるとデータ形式がが損なわれて集計の際に支障がでますし、その修正に無意味な時間と労力を掛けることになります。
 また、データの誤入力の有無を確認するために、二人なしし三人が入力対象の書類を交換して打ち直すこともやりました。そうすると、データを入力したファイルが二つできます。
 この二つのファイルを誰がどの部分の集計をしたのか、最初に入力したデータのファイルか、確認ように入力したファイルか、を区別するようファイル名の命名規則も決めました。これも厳格に運用するよう厳命しました。
 で、後にエクセルで各々のデータを集計した結果が等しければ誤入力無しとみなせます。

 そして、出来上がったテキストファイル(CSVファイル)をまとめて一つのテキストファイル(CSVファイル)にして私のPCのエクセルに読み込み、私の入力分と合わせて完成させました。誤入力はありませんでした。

 あまりの完成の速さに先輩職員が嫉妬していたようでした。
 私たちが定時に帰るのが面白くなかったのでしょう。
 でも、自分たちではどうしようもなかったことなので、あからさまなことを言うこともできません。

 私たちは退勤後、居酒屋で打ちあげをしましたが、みんなに「知(ち)は力(ちから)。」と言ったことを覚えています。

 MS-DOSの古いバージョンでは、マウスを使えなかったのですが、廃棄寸前のパソコンにはテンキーもなくてキーボードの上部のキーで数字を入力しなければならず、そこで少し時間がかかったかもしれませんね。
 やはり、パソコンは新しい方が扱いやすいし、効率的です。

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