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『ジョジョの奇妙な冒険 第4部ダイヤモンドは砕けない』

 あまりにも有名な漫画なので、いまさらって感じがしますが、好きな作品なので思うところを書いていきます。

 作者は漫画家の荒木飛呂彦さんで、第4部は杜王町という町が舞台になります。杜王町は日本国内にある地方公共団体で、それまでのような外国での戦いから舞台が変わっています。
 題名が『奇妙な』とありますが、主人公(この作品では東方丈助「ひがしかたじょうたろう」)が奇妙な世界に迷い込んで冒険するという、『不思議な国のアリス』のようなものではなく、通常の世界の中ではありますが、敵との戦い自体に奇妙性があります。その「奇妙」の本体は、スタンドと呼ばれる精神エネルギーの権化みたいなもので、精神が人物や物体などに実体化し本人の意思のとおりに動きます。戦いは、主人公と敵が各々スタンドを出し、そのスタンド同士が戦い合うという形式をとります。原則一人一スタンドでしかも種々の制約があるので、彼らの戦いは単なる腕力勝負ではなくて、いろいろ知恵を使います。
 なお『ジョジョ』というのは、主人公の呼称で、この第4部では主人公の東方丈助の丈から「ジョジョ」とされています。丈の文字が1つなのにジョジョと二度繰り返されているのは、「あだ名」だからだと理解しています。
 丈助のスタンドは、クレージー・ダイアモンドという名前で、治癒する能力があります。治癒の対象は生物に限りません。また、元のように直すのが基本のようですが、元とは違う風にも直せます。(例、不細工な男の顔を殴って鼻を潰し、それをクレージー・ダイアモンドで元より不細工鼻に直すなど。)

 この「ダイヤモンドは砕けない」の魅力は、サイコパスで異常者の吉良吉影(きらよしかげ)の存在にあると思います。
 吉良は、常習的殺人者です。でも、見た目は普通ですので、今まで疑われもせず何人もの人を亡き者にしてきました。

 吉良のスタンドは、キラークイーンという名で爆破能力があります。
 私は、イギリスのロックバンドQueenのファンなので、キラークイーンが負けそうになると複雑な気持ちになりますが、「杜王町ではキラークイーンは悪の化身なんだ。」と考えて気を落ち着かせながら読んでいました。

 そして、もう一人。脇役ではありますが、岸辺露伴という漫画家も魅力的な存在です。
 今まで、彼のように主人公に非協力的な味方っていたでしょうか。
 露伴のスタンドはヘブンズ・ドアーという名で、人間の記憶や属性を読んだり書き換えたりできます。

 この「ダイヤモンドは砕けない」は、サスペンスホラーに分類されるようですが、私としてはミステリ的要素が強いと思います。
 ミステリ的要素のの中心は、攻撃して来る敵のスタンド能力の推理とその防御方法を考え出し、さらに反撃する件(くだり)になります。
 ミステリ小説などとは異なり、犯人(敵)は誰かというより、主人公が敵の攻撃をかわしながら、反撃する方法を見つけだすことに興味が集中します。この辺は、望月三起也さんの『ワイルド7』と似たおもしろさです。
 ミステリ(mystery)には、神秘や不思議という意味がありますが、絶体絶命のピンチから逆転して敵をやっつけるやり方の意外性というか予想外という意味で、ミステリと言えると思います。

#連休に読みたいマンガ #ダイヤモンドは砕けない

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