エレベーターの地震感知器(S波)について
地震感知器(S波)は、地震発生時の初期段階であるS波(横波)を検知するための装置です。S波は地震の揺れを引き起こす主要な波であり、P波(初期微動)に続いて到達します。地震感知器(S波)は、このS波を迅速に検知し、エレベーターの安全運用に重要な役割を果たします。
先日投稿した公式サイトのコラム「エレベーター保守・リニューアルの保守部品について」の中でも、エレベーター機械室の制御盤について簡単に紹介しています。
エレベーター運用への影響と効果
地震感知器(S波)は、地震発生時にエレベーターの運用を迅速に停止させることで、乗客の安全を確保します。
早期検知と停止
地震感知器がS波を検知すると、エレベーターは直ちに最寄りの階に停止し、ドアを開けて乗客を避難させることができます。これにより、乗客がエレベーター内に閉じ込められるリスクを大幅に低減します。
運用の再開判断
地震後の安全確認が行われるまで、エレベーターの運行を停止することで、二次災害を防ぎます。建物の構造に問題がないことが確認された後にのみ運転を再開できるため、安全性が向上します。
避難経路の確保
エレベーターが自動的に停止することで、避難経路としての階段の使用が促進され、安全な避難が可能になります。
地震感知器の必要性、機能性、性能
地震感知器(S波)の必要性は、その機能性と性能に大きく依存します。
地震多発地域では、地震発生時の迅速な対応が求められます。エレベーター内に閉じ込められる事故を防ぐため、地震感知器は不可欠な装置です。
その機能は、高精度のセンサーを備え、微細な揺れも瞬時に検知し、エレベーターの制御システムに信号を送ります。この信号により、エレベーターは自動的に最寄りの階に停止します。
また、耐久性に優れた設計で、長期間の使用にも耐えます。
メンテナンスについて
地震感知器の適切なメンテナンスは、その性能を維持し、エレベーターの安全運用を確保するために重要です。なので、適切な点検が必要です。
点検のタイミング
地震感知器は、通常半年に一度の定期点検が推奨されます。特に地震発生直後には、感知器の状態を確認することが重要です。
点検方法
点検は専門の技術者によって行われます。感知器の動作確認、センサーの感度調整、電源の確認などが主な点検内容です。さらに、地震感知器の設置場所や配線の状態もチェックされます。
交換のタイミング
通常、地震感知器の寿命は10年程度とされています。定期点検の結果や故障の兆候が見られた場合には、早めの交換が推奨されます。
費用
地震感知器の交換費用は、機種や設置状況によりますが、一般的には数万円から十数万円程度です。点検費用は、通常数千円から数万円程度です。
まとめ
地震感知器(S波)は、地震発生時にエレベーターの運用を迅速に停止させ、乗客の安全を確保するための重要な装置です。
早期検知と停止機能により、乗客がエレベーター内に閉じ込められるリスクを低減し、建物内の安全な避難を促進します。そのため、地震多発地域では特にその必要性が高まります。
地震感知器の性能を維持するためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが不可欠です。点検は半年に一度行い、故障の兆候が見られた場合には早めに交換することが推奨されます。これにより、地震感知器の機能を最大限に発揮させ、エレベーターの安全運用を継続することができます。
地震国日本では絶対に備えておかなければいけない機能の1つです。
突然の地震で、あなたがエレベーターの中にいた時、この機能が最大限の効果を発揮します。
もしもの時のために、きちんと確認を行い、確実に緊急の際に効果を発揮できるよう確認しておく事が非常に重要ですが、専門的な知識のない方ではその判断を下すことは難しいでしょう。
エレベーターのことはエレベーター専門のコンサルタントにご相談ください。