虎に翼 寅子と優未の話

虎に翼がとても面白い。
歴代の朝ドラでいうと私のランキングで2番目に面白い。1番は内緒。あれです。


仕事が忙しく、家庭のこともままならない寅子が、
娘を転勤先の新潟に連れて行くかどうかの話。

娘と一緒にいる時間が取れないのは仕方がない。

寅子は、一家の大黒柱として働いている。行ってしまえば父親としての役割。
花江は、家庭のことを全て1人でこなし家庭の平穏と笑顔を絶やさない強い母親。

寅子が娘1人を新潟に連れて行く選択は、正解なのか不正解なのかは分からなかった。

このまま寅子が優未と離れて暮らすと、
優未は今まで通り楽しく笑って“いい子”を頑張らずに生活ができると思う。

でも母親との溝は埋まらず、
寅子が言ったように“取り返しのつかないこと”にもなる。

前者も後者もどちらも理解のできること。

私は独身で子供もいないし、想像はできても本当のところは母親の立場の気持ちなんてわからない。

ドラマを観たあと、
「あ〜寅子は優未を連れて行っちゃうのか〜、優未のついて行くって返事も気を遣って無理して言ってるの気がつかないのかなあ」と思った。
けれど、“私のことを思って無理してついてくる”ことなんて、母親である寅子は十分に理解しているはずだ。

私の母も虎に翼を観ており、寅子の決断について感想を聞いてみた。
「娘にとっての今は新潟についていかない方が良く見えるけど、“取り返しのつかない溝”が生まれることはもう分かるよね。寅子は家庭を支えるために仕事をする選択しかないし、寅子が家にいたら家族が暮らせない。
寅子の仕事は、出勤してレジを打ってきて終わり、みたいな話ではなくて他人の人生と国の未来を背負っているような仕事で、その日の仕事が終わってもずっと仕事は抱えているでしょ。考えずにはいられない仕事だよ。
仕事が忙しいことは家族に理解されても、こういうことがあって、、、って詳しいことも、他人の相談を受けて感じている寅子の心の葛藤は誰も理解者がいない。理解者がいないのは、家族が冷たいのではなくてそれが寅子の仕事だからどうしようもないことだからね。
これから寅子みたいな母親が娘と壁がなく生きていけるかは分からないけど、取り返しのつかないことになる前でよかったんじゃない?」と。

難しいよね。
私の母親の感想を聞いて、家族は難しい、の一言に尽きる。他人の方がまだ割り切って接することができる。
自分が母親になったとき、どんな気持ちでこのドラマを観るんだろうな。

たのしみだ