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「アジャイル経営カンファレンス」について視聴しました

表記イベントに参加してきたので感想を記載します。


サイボウズの経営学と組織論-100人100通りの働き方から実現した自律化した組織-

 サイボウズの青野社長からの基調講演でした。サイボウズの働き方について具体的な事例やビジョンを語っていました。サイボウズの社員の方は何人か知り合いがいますが、私があった人は皆いきいきと働いていたので、そういった実例も含めて納得感が高い内容でした。「説明責任だけでなく質問責任がある」という点がとても良いと思いましたし、その運営が本当に回っているのが素晴らしいと感じました。

アジリティの実現を目指した、データドリブン経営への取り組み~レガシーとAgileの調和~

 NECさんからの説明で、データドリブン経営とアジャイルを調和させて進めていく事の重要性を説明いただきました。やや、大きな話だったので、具体的なイメージについて持ちきれない所はありましたが、こういった話を推進できる所は良いと感じました。

ジャイル組織にマネジャーは必要か?アーキテクチャから考える役割定義とタレントモビリティの実現

 株式会社Hyper-collaborationの吉田さんからの講演でした。EQとScrumとエンタープライズアーキテクチャーを推進しているということでした。マネージャーの役割についても計画駆動から、変化が重要ということでした。情報アーキテクチャの視点だと「連結ピン」やシステムの動くレイヤの中での把握が必要とのことでした。マネージャの役割は組織のアーキテクチャやタレントモビリティの視点も重要とのことでした。

アジャイルマインドセットを全社員に~永和システムマネジメント流アジャイル経営

 永和システムマネジメントの岡島さんからの講演でした。
永和システムさんでの全社のアジャイル経営に向けての説明をしていただきました。特に突き抜けたビジョンを元にして、外、内の遠心力、求心力を強く重視する竹とんぼモデルで進めるというメタファーはとても良かったです。 

データドリブンからデータフォワーディング経営へ!

 クールスプリングス株式会社三枝さんからの講演でした。
DXのX(本質的な課題解決)の重要性に関してお話がありました。デザインシンキングやアジャイルの重要性を事例含めて説明いただきました。SHEINの事例は特に面白かったです。(AIで世界中のトレンドを調べデザインと製造と密な関係ですぐに試作品を作って売る。売れたら大量生産する。そういったビジネスモデルなので、知的侵害の訴訟リスクも織り込み済みでビジネスを進めている。

ビジネスアジャイル実践事例~ソフトウェア開発を超えたアジャイルの適用とは~

 株式会社MSOL Digitalの渡会さんからの講演でした。アジャイルに関するソフトウェア開発以外のの適用例について紹介いただきました。商品開発や働き方改革等いくつかの事例でのアジャイルフレームワーク適用の話でしたが、社内で似たようなことをやっているので良くわかる内容でした。ビジネスを成功させたいという強い想いが大事とありましたが、本当に想いが大事だなと思います。

アジャイル経営を実現するためのDX推進戦略とデジタル人材の方向性

経済産業省の和泉さんからの講演でした。
和泉さんの話聞くの久しぶりですが、ものすごく楽しかったです。テクノロジー主体だったり、AsIsベースだと上手く行かない。といった話を事例ベースにわかりやすく紹介いただきました。SEにとっては耳の痛い話でした。

口数の多い通訳:通訳について目的や背景をきちんと理解していないとちゃんとした通訳は出来ない。言語(ツール)が分かってて訳が上手というだけでは意味がない
 ⇒システムが分かってもビジネスの理解が薄ければ意味がない
真面目な皿洗い:日本一の料亭で皿洗いを真面目にやるだけでは料理人にはなれない。残した味や中間の味をなめて盗んでコントロールしていかないと成長できない。そういったメンバーにDXの提案をさせると食洗器導入等を提案する(店の味やサービス向上には繋がらない)

「組織内調整」を「アジャイルな合意形成」にする3つの手法

 Graat(グロース・アーキテクチャ&チームス)の鈴木さんからの講演でした。チームがアジャイルに成果を出しても「組織内調整」がブロック要素になってしまう。実際は組織内の様々な部署や関係者との調整が不可欠となる。そのために、価値から考える、ストーリーで整理する、チームと組織の視点を合わせるといった取り組みが必要。
 こういった事をアジャイルチーム内の頃から考えながらフラクタルに広げていく事が重要だなーと思って聞いていました。

デジタルを前提に現状を再構築する~DXとソフトウェアファーストとアジャイルをまとめて考える~

株式会社デンソーの成迫さんからの講演でした。
DXとソフトウェアファースト、アジャイル(DevOps)について世の中の状況や事例を踏まえて、デジタルを前提に再構築することについて説明いただきました。生成AIを使ったロボットの事例等もわかりやすかったです。

組織戦略をバックログで可視化する方法と営業チームでのスクラム事例

Scrum Inc. Japan株式会社の清水さんからの講演でした。
アジャイルな組織運営としてSATORIでの実践事例について紹介いただきました。SATORIの話聞きたいと思っていたので、嬉しかったです。
 具体的にはバックログを組織戦略と紐付けながら作成していくためにどのような運営をしたか?営業メンバーでスクラムを実践することで、個人プレイヤーの集合から全員で成果を追うチームになるために、どのようにプロセスを作っていったのかをお話しいただきました。
 資料が非常にわかりやすかったのと、実際のMIROのイメージ等もついていてとてもイメージアップしやすいものでした。

アジャイルな組織カルチャーのつくり方

Almohaの唐澤さんからの講演でした。CS(カスタマーエクスペリエンス)とES(従業員体験)をどのように考えるかということで、アジャイルな組織カルチャーの作り方について説明いただきました。ビジネスモデルとカルチャーモデルの両輪が必要。実際にデジタル庁ではどのような事を気を付けたかを紹介いただきました。また、文化を作る上では環境(ツール等も含む)が非常に重要だということを感じました。

日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか:ポスト資本主義社会の脱対立経営

 慶應義塾大学の岩尾さんからの講演でした。初めてお話し聞きましたが、とても面白かったです。経営層の給料は右肩上がり、ただ、従業員の給料は上がっていない。これは経営層が経営を従業員に渡したいが、渡せていない事に関連している。価値有限の発想⇒価値無限の発想への転換が重要。
 また、その考えるヒントとして「未来創造の円形」「問題、解決の三角形」「七転八起の四角形」を紹介してもらえました。デザイン思考で考え方を変換するというのは重要なので、そのフレームとして面白いと感じました。

感想

 世の中の状況、想いや提言、具体事例の紹介等バランスよく色々な話があり、非常に面白い会でした。特に経産省や大学教授の話も聞けるのはとてもためになりました。
 経営と聞くと、自分にはまだ、関係ないかなといった思いもありましたが、聴いてみると、遠い世界だということは全然なく、非常に身近な世界の話だと感じました。
 身近な世界に対して『経営』と見るか『いつもの業務』と見るかで得られるアウトカムは変わってくると思うので、メンバーが皆、経営やマネジメントを感じられる、それが面白いと思える
 ありがとうございました。







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