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読書メモ「組織を変える5つの対話 対話を通じてアジャイルな組織文化を創る」

表記本を読んだので感想を記載します。

 アジャイルやリーン、DevOpsがソフトウェアの状況を変えて行く中でも、以前としてマイクロマネジメントや自律性を破壊する『フィーチャー工場』で働いている事例が多い(特に大企業で)。これについては人間の本質を捉えることと複雑系での進め方が重要で、そこで人同士の『対話』が重要として対話について解説しています。対話に関して4R(記録(Record)、内省(Reflect)、改訂(Revise)、ロールプレイ(Role Play)の重要性について対話診断を本の中でたくさんの具体例を出して一貫して説明してくれています。また対話自体も、5つの対話 (1.信頼を築く対話、2.不安を乗り越える対話、3.Whyを作り上げる対話、4.コミットメントを行う対話、5.説明責任を果たす対話)について順に説明しています。
 「対話診断」のロールプレイをずっと解説してくれることで自身が具体的に動けることが出来る本だなと思いました。この「ふりかえり」は実際に試してみたいと思いました。
 また本で出てくる参考文献については興味をひくものが多く、まだ読んでないものは読みたいなと感じました。

ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?
話す技術・聞く技術:ハーバードネゴシーエーション・プロジェクト:交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話」
最強組織の法則
サピエンス全史
心の進化を解明する:バクテリアからバッハへ
ホモ・デウス

そこで問題だったのは(それが本書を書いた動機でもあるのですが)、アジャイル開発、そしてリーンソフトウェアやDevOpsが爆発的に普及する中で、後発組が人間関係の重要性を見落としてしまったことです。リーダーたちは、これまでと同じように行動すればいいと考えてしまいました。つまり、工場のマインドセットを維持したまま、誰か別の人に変革するように指示すれば十分だと考えたのです。

1章 ソフトウェア工場からの脱却

この文章は非常にわかりみが強い内容で、わりと大き目な企業の自分の周りはまさにこれだなと思っています。マネジメント3.0の言葉を借りればマネジメント2.0のやり方で進めているという感じです。ただ、周りだけでなく自分自身も結構こういった考え方に引っ張られることは多く、そういう意味でこういった本の内容で自分を見直すことは大事だなと思っています。

1.信頼を欠いていては、自己開示と他者理解を目指せません。
2.言葉に出来ない不安を感じていたら、無意識であっても防御的に行動してしまいます。
3.WHYが共有されていないと、建設的に意見をぶつけ合うことができません。
4.明確なコミットメントを避けるのは、自分に危害が及んだり恥ずかしい思いをしたりしそうなときです。
5.説明責任を果たそうとしない限り、経験から学ぶことができません

2章 対話を改善する

本書のテーマである5つの対話のポイントを説明しています。1⇒5の順にベースとなっているので、5だけを満たそうという事よりは問題を1つ1つ克服していく事が重要です。対話のベースにはチームや組織でパフォーマンスを上げるという考えがあると思いますが、こういった事を大事にするためにはチームとしてのパフォーマンスの重要性や可能性を考えていないといけないのですが、わりとメンバーの能力は固定的といった考えがはびこっていて、継続的に上記対話をし続けることの重要性については軽視されているなと感じています。だからこそしっかり取り組む必要があると思っています。

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