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「Enterprise Agile Forum 2024」に参加してきました

表記イベントに参加してきたため、感想を記載します。

​「人がつくるソフト - SIerがアジャイルになる旅について -」

 リコーITソリューションのちんもサンの講演でした。
アジャイルを20年間会社で広げていく事例について紹介いただきました。20年の中で実際にメンバーのアジャイルの経験がどのように広がっていったか?またチェンジエージェントがどのように増えていったかの話がありましたが、1000人いる会社なので、1人だけで進めたわけではなく、他にもチェンジエージェントの方がいて、そのメンバーと一緒に仕事をしたメンバーがまた、チェンジエージェントになり、繋がっていくといった「人の物語り」で、とてもステキだなと感じました。

気になった点>
・2000年当初にアジャイル失敗したメンバーが複数いて、みんな干されているけど、その後あったら元気でやっていた
・チェンジエージェントは変化に向かって進めていくので、状態がアジャイルじゃない所でも平気。逆に変革が必要ないアジャイルな職場だったらもしかしたら別の所へ行くかもしれない
・そんな組織での日常は、劇的な要素があり、ドラマチック
・受託開発で、アジャイルをやっていくと現実と理想のギャップがどうしても出てくるケースが多い。ただその時に理想を語ってメンバーを求心していくファンタジーの力が求められる
※ファンタジー:ワンチームになるという共同幻想に合意する。(現実は変わらないけど、幻想を挙げて、態度を示し続ける)
・ファンタジーは自律性「のみ」に立脚する
・20年史を作ってみると、過去に働いたメンバー等と皆で盛り上がった。緒に働く共同体験があるとその後火が付きやすい
・親会社が自分達でもアジャイル開発を進めてくると、部分的参画が求められるケースが多くなる。アジャイルとして広がっていくが、子会社としては辛いことも多い(会社に所属する意義やファンタジー疲れ)
・そのため自分たちのラボを作って活動している
・長い間やっていると、どこかでボーナスタイムはある。ただあくまでもボーナスタイムで、自分達がどうしたいかが重要

「ビジネス×アジャイルなら イノベーションを創造できる」

 デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)の横塚さんからの講演でした。横塚さんといえば、昔日経コンピュータの連載をとても楽しみにしていて、同業として非常にうらやましいと思ったのが思い出です。横塚さんの記事を見てなかったらもしかしたら今の自分はまた違うことやってたかもしれないです。実際に話を聞けたのは初めてだったのでとても良い経験が出来ました。
 ビジネス構想やビジネスアナリシス×ITでコアの構想をしてDXを進めていく重要性をお話しされました。かなりビジネス変革要素が強い話で、東京海上日動システムさんの時の話とはまた異なった話が聞けて新鮮でした。

気になった点>
・大量生産→価値創造への時代の変換。たとえば、セブンイレブンはプライベートブランドが7割だが、それはメーカーのものを置くだけでは売れない。(ゲームが変わった。「24時間戦えますか」の時代ではない)
・DXは色んな所でやっているが、本質的な課題に向き合ってる所はあんまりない。サステナブルに10年後も輝いていようと思ったら足りていない。問題が何か?を定義する仕事をしたことが少ない(あるべき姿が構想できない)
・解決するためには、自律したプロ人材がビジネスを構想する所からアジャイルするしかない(ビジネス担当とデジタル担当がフラットな関係で対話し、ステークホルダーやお客様の意見を謙虚に受け止め、お客様が欲しいものを作ることが重要
・頭で考えるだけでなく、肌で感じることが重要。本来どうありたいか?おかしいと思う肌感覚をもってUNLOCKする。
(たとえば満員電車で通勤するのは今だと問題と感じるが、コロナ前は感じられなかった。そういった肌感覚が重要。ちなみに生産性1位のデンマークは5週間休みで残業がない。そういう中だから良い肌感覚が養われているのかもしれない)
・アジャイル開発やっている所でも、ビジネス構想からITが入っているケースはまだ少ない
・考え方においての研修をしても、チェンジエージェントは2%くらいしかにならない。15%くらいがフォロワーになる。(社員のうち2%しかチェンジエージェントにならないなら、2%を3%をするより、2%がガンガン進められるようにした方が良いと思う)
・実際に経験する中での成長が重要
・シニアなSEはとても価値が高い。60や65になって定年してぷらぷら遊んでいるのはもったいない

OST1.メンバーが経験の中で化学変化した事例を話そう!

 基調講演の中で経験する中での成長が重要という話があった為、実際にどういった経験でメンバーが変容したかという事例を話し合いました。
 RSGTにメンバー全員で参加して変わったといった事例や組織アジャイルの運営の中で、元々アジャイルにあまり興味がない人をの関係をどうするか?2人目に踊る人を盛り上げる方法などを話し合いました。
 話の中で、チェンジエージェントに大事な要素としてプロデュース力があると盛り上がりました。ちんもさんの講演でも演出の話がありましたが、自分が周りをプロデュースすることに喜びを見出だせないと辛いということで、プロデュースが好きな人がチェンジエージェントに向いていると話しました。

OST2.ファンタジーについて話そう!

 基調講演であった、「ファンタジー=現実はひとまず置いておいて会社の垣根を超えて、One Teamになると演出する事」についてどうファンタジーを演出するか?という話をしました。
 まず、「火事場のようにメンバーがまとまる事(スプリントもそう)」「本音が言える場を作ること」「メンバーのリアル感が感じられること」こういった事がファンタジーの要素としては重要で、そのことをファンタジーとしてしっかり伝えることがまず大事と話しました。
 また、プラクティスとしても、個人を知るような取り組み(ドラッカー風エクササイズ)や弱みを見せる事、体制について恋愛相関図を書いて見たり、パートナーさんとの1on1等も良いと話しました。
 特に関さんに紹介いただいたドラッカー風エクササイズのカスタマイズとして、メンバー全員が全員に対しての期待をそれぞれ書いて共有し、期待について満たせられない点はどのようにサポートするか、代替するかを話すプラクティスはぜひ私もやりたいと思いました。

OST3.エンタープライズアジャイル勉強会のユーザーの声

 この勉強会についてのユーザーの声を聴く会をやりました。元々最初はユーザー企業や情報子会社を対象にした勉強会で、徐々にそれ以外のSIerが増えていったという話をしました。そういう意味でユーザー企業がもっと興味を持ちそうな勉強会(プロダクトや組織をテーマにした勉強会)をやってみては良いのでは?と盛り上がりました。
 IT系メンバーが多いので自然とITの話になる事が多いですが、確かにビジネス側をもっと意識してアジャイルの勉強会をするという意味ではこのエンタープライズ勉強会はとても合っているなと感じました。

感想

 仕事の関係でOST3までしかでれず、途中帰宅しました。情報子会社向きの会などあまりないため、とても楽しかったです。川口さんがちんもさんを基調講演に選んだのは、こういった事例を紹介して情報子会社の逃げ道をなくすためだとお話しされてましたが、逃げずに立ち向かっていきたいと思います。ただし、演劇やエンタメのプロデューサー要素も入れながら楽しくやっていきたいです。ありがとうございました。

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