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読書メモ「問いかけの作法」

表記本を読んだので感想を記載します。



本書の気づき

現代においてチームのポテンシャルが抑制されているように感じられる要因は、前時代に求められていたトップダウン方式の「ファクトリー型」の組織形態に、仕事のスタイルを適応させた結果だと考えられます。

第1章より

本書では作業を効率的に分担するファクトリー型の進め方がマッチしていないケースがあり、現場と対話しながら理念を探究するワークショップ型の重要性を説いています。また0,100の議論ではなく、ファクトリー型とワークショップ型の比率を考えながら対応していく事が重要とありました。

ファクトリー型では4つの現代病に侵されているとしています。

1判断の自動化による、認識の固定化
2部分的な分業による、関係性の固定化
3逸脱の抑止による、衝動の枯渇
4手段への没頭による、目的の形骸化

第1章より

⇒この辺の内容は市谷さんの「組織を芯からアジャイルにする」「これまでの仕事これからの仕事」でも語られており、わかりみが深い内容でした。本書でも過去の「武器」は未来の「足かせ」となると記載されています。
これらの現代病について「こだわりを見つけて育てる」「とらわれを疑い、問い直す」という2点を意識してワークショップ型の進め方で対応していくことが重要としています。またそのために重要なのが「問いかけ」となります。

問いかけの基本定石
1相手の個性を引き出し、こだわりを尊重する
2適度に制約をかけ、考えるきっかけを作る
3遊び心をくすぐり、答えたくなる仕掛けを施す
4凝り固まった発想をほぐし、意外な発見を生み出す

第2章より.

⇒「遊び心くすぐり相手のこだわりを引き出すこと。またあえて制約を掛けたり、視点を変えさせたりすることで意見の発散・収束を目指す」これらのことは最近意識してファシリテーションに取り組んでいたと思うので、改めて言語化されていて、理解が深まりました。相手への好奇心や興味、尊重が非常に重要だと思います。
また、効果的なワークショップの場を作るためには本書では場の見立てが必要と説いています。

観察を支えるガイドラインとしての問い
1何かにとらわれていないか?
2こだわりはどこにあるか?
3こだわりはずれていないか?
4何かを我慢していないか?
見立ての精度を高める三角形モデル
「場の目的」「見たい光景」「現在の様子」

第3章より

対話の場として、観察しながら上記問いを確認していく。また対話の場の目的や見たい光景をイメージしながら現在の様子を観察することが大事と本書では書かれています。こういったワークショップ自体も仮説検証型で探索と適応を繰り返すことが重要と感じました。

感想

安斎さんの本は「問いのデザイン」「パラドックス思考」と読んでましたが、読みやすさはこの本が一番サクッと読めました。普段意識している事や無意識的に実施している事が改めて言語化してもらっている感じで、参考となりました。引き続きより意識したいと思います。ありがとうございました。

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