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いつも来るお客様の話。

「ねぇ、、、、みたらし団子もう一本食べたいぃ。」




最近越してきた家族かしら。


男の子がもう一本食べたくてごねている。




そりゃそうよね。
一本サービスしちゃおうかしら。



『ダメよ。これはねお腹の子の分だから。』




前言撤回。
いらないことはするもんじゃないね。











『みたらし団子食べたいぃ、、、。』



「ダメだよ。
 お使い頼まれただけなんだから。」




可愛い妹ちゃんだこと。


でも流石お兄ちゃん。
しっかりしてるのね。








『食べたいよぉ、、、。』





「しょうがないなぁ。
 お母さんには秘密な?」





悪い子ちゃんだこと。


でも可愛いらしいわね。



しょうがない。
お姉さん、協力しちゃう。






「おばさん。二本ください。」



「あなた達、私はお姉さんよ。
 お金使ったらお母さんにバレちゃうでしょ。
 だからタダで二本あげる。」



「いいの?」




「その代わり、ここで食べきっちゃうこと。いいね?」




「うん!ありがとう!
 ほら、さくらもお礼いいな?」




『ありがとざいます。』










ふふふ。
一緒懸命食べたから口の周りがみたらしまみれ。
可愛い2人ね。





『「ありがと、おばさん!」』






あ!みたらしまみれのまま帰っちゃった!!









『みたらし団子二本ください。』











もう高校生か。

すっかり可愛いく成長しちゃって。






でも思春期か。




「今日はどうしたの?」




『え?』




「こんだけ長く利用してくれる
 お客様のことぐらいわかるわよ。」




『、、、、わかんないんです。どうしたらいいか。』





「将来のこと?恋のこと?」




『どっちもです。
 夢を追うか。恋を追うか。どっちかは無理なんです。』





「その恋は叶いそうなの?」




『わかんないです。』



「その夢は10年後でも叶う?」



『多分無理です。』





「じゃあこうしよう。
 一回想いを伝えるの。
 でも夢があるから待っててくれって言ってみな。」




『え?』




「待っててくれないような人なんか運命じゃないわ。」




『、、、、でも、、、、。』




「本当に好きなら、伝えるべき。」




『、、、、じゃあいいです。
 多分私のことは好きじゃないと思うから、、、、。』




「、、、、そう。」





それ以降さくらちゃんがうちの店に来ることはなかった。














10年後、さくらちゃんは彼氏とやってきた。





『ここ!』


「へぇー。美味しそうな団子屋さんだね。」





この辺を全く知らない様子。


それでうちを紹介してくれたのね。



『おばさん!みたらし団子三本下さい!』



「三本?
 あ、、!自分だけ二本食べようとしてるな!」



「え?それなら俺も二本食べたい!」





『むぅ、、、、。』









それからある程度経った。





「みたらし団子三つで。」



今日は彼氏ちゃんなのね。



『いや、四本で!』



さくらちゃんが合流してきた。



「やっと2人で2本ずつという発想がでたか。」




そうね。いちいち店の前で痴話喧嘩してたものね。






『いや、違うよ?』




あら?




「まさか、、、四本とも、、?」



『そんな食い意地張らないよ。一本あげる。』



「いや三本食べてるじゃねぇか。
 何が食い意地張らないだ。」




『私の分は二本。○○の分は一本。』




「残り一本は?」











『ここにいる。』













、、、、3世代でのご利用お待ちしてます。

fin

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