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約束

遥:おはよう!


○:おはようございます。


遥:ねぇ、昨日のジャンプ読んだ?


○:、、、やばかったですよね、ワンピースとヒロアカ。
遥:せやねん!もーほんまやばいよな!
  ほんまどこまで沼らしたら気ぃすむんやろか?!
○:あれ絶対作者1人じゃないっすよね!
  ほんまなんなんすかね! 








めちゃくちゃ関西弁喋ってるけど、僕は群馬出身だ。







遥:ごめんごめん。朝から喋りすぎたなぁ。
  今から朝練やろ?頑張ってきーや!


○:はい!いってきます!








めっちゃ手振ってくれんだよな、遥香さん。
推せる。






林:んで?今日も返せずにきたんや。


○:んなこと言われても、あれだけジャンプの話で盛り上がったら
  返すタイミングなんてないし、、、


林:はぁ、、、何回言うねんそのセリフ。






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「君にこの本を預ける。私の大事な本だ。なくさんといてな?」

「返却す条件は、立派な男の子になったら。」

「それまで、ちゃんと持っといてね。」

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一か月前、遥香さんにそう言われた。







○:それに、立派な男の子になったら返すって約束なんだ。



林:はぁ、、、
  生徒会長で学年トップの成績とってんのに、
  まだ立派じゃないって言うの?



○:そうだけど、、、
  まだまだな気がするんだ。



林:具体的な指標は?


○:特に、、、ない。




林:なぁ?ゴールが定まってない努力は無駄ってあんたが教えてくれたんやで。
  あんた自分のこと言われへんやん。 
  



○:もういい。
林:ちょ、待ちぃや!





はぁ、、、
あの時の小説もう読んでくれたやろうか?



「立派な男の子」って、ちゃんとわかってくれてるやろうか?




遥母:隣の子、本返してくれたん?



遥:ううん。まだ。



遥母:というか、なんで「立派な男の子」になったらなん?
   それさえなければ、スッと返してくれたんちゃうの?




遥香:学校の帰り道、○○君が話しててん。




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林:○○はさ、もし恋人ができたらどんなことしたい?



○:うーん、、本とか交換しあいたい。



林:え?なんで?



○:恥ずかしいって。



林:ええやん。聞かせてよ。



○:、、、遥香さんがそういうの好きらしいから。



林:遥香さん?あーあの隣の?
  その人のこと好きなん、、、?



○:うん。
  でも遥香さんは俺なんかよりもっと立派な人がタイプだろうから、、、




林:、、、じゃ、じゃあ、立派な人になったらええんちゃう?


  きっとそれやったら、付き合ってくれるんちゃう?




○:そーかな、、、。
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遥:きっと覚えてへんねやろうけどな、、、



遥母:まぁ分かりにくいとは思うけど、辛抱強く待ってみれば?
   両思いっぽいし。



遥:、、、うん。




林:待ってって!



○:なんだよ!


林:あんたさ、「立派な男の子」の意味わかってへんやろ?


○:はぁ?意味もくそもないだろ?



林:ほんまわかってへんな。


○:どういうこと?


林:あんたが自分に自信を持ってへんのは一緒におるからわかってる。
  ちっちゃい頃から一緒の遥香さんなら尚更や。


  だから遥香さんは、自信を持って欲しかったんやって!


  君はもう充分立派やって、気づいて欲しかったんやって!



○:なんでそんなことを?


林:そんなん、あんたの思いがわかってるからやろ?!


○:でも、遥香さんはもっと立派な、、人、、と、、


林:やっと気づいたんか。
  自分が言ったんやで。立派な人になったら付き合いたいって。



○:、、、ありがとう。
  俺、今日返すわ。



林:ほんまに手間かかるやつやで、、、


○:ってかなんで林が泣いてんだよw



林:うるさい!さっさと行け!この鈍感野郎!
○:へいへい。
  ありがとな!



なんだそういうことだったのか。
もっと早く気づけばよかった。




遥母:遥香?晩御飯の買い出し行ってくれない?



遥:いいよー。





いや〜今日はお散歩日和だなぁ、、。


、、、○○君と一緒に歩きたいn

○:遥香さーん!



え?○○君?ってか学校は?何してんの?




遥:何してんの?学校は?


○:朝練終わったんで帰ってきました。
  それよりこれ、貸してくれた本です。


遥:あ、、、


○:ほんとはもっと早く立派な男の子になれたらよかったんですけど


遥:ふふっ、、、君はもうとっくに立派な男の子だよ。


○:それと、、、これ僕の好きな本なんですけど、、、


遥:貸してくれるの?嬉しい!






○:、、、僕、人に本貸したことないんです。
  、、その、、好きな人と交換したくて、、、



遥:へ?




○:、、遥香さん。僕の恋人になって本の感想を聞かせてください!







遥:、、、、








○:ダメ、、ですよね、、




遥:何言ってんの?早くしないと置いてくぞ?



○:へ?



遥:どうせなら、あたしの部屋で一緒に読まない?




○:へ?オッケーなんですか?



遥:置いてくぞー




○:待ってくださいよ遥香さん。


遥:遥香。恋人なんだし、さん付け禁止ね?


○:、、、はい!! 







終わr




遥:ただいま〜


○:おじゃまします、、、


遥母:おかえり、、、ねぇ、晩御飯の買い出しは?



遥:あ、、、、

fin

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