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「ヘルシンキラムダクラブへようこそ」全曲感想

ここ数日アルバムリリースが待ちきれなかったということもあり薫さんのnoteで歌詞解説の記事をちょくちょく買って読んでいたのですが、想像より遥かに仕掛けや小ネタが多くて何回も聴いてる曲なのに新しい発見がたくさんあって楽しいです。短い文章でメロディとの兼ね合いもあるのにあそこまで世界を広げれるポテンシャルやばすぎる。そして薫さんのいろんなカルチャーの知識とセンスとユーモアに圧倒されちゃう。

歌詞解説と言っても全貌を明かすわけではなく、固有名詞の説明やリファレンスした音楽や映画など歌詞を理解する上でのヒント的な内容で、聴く人それぞれの解釈の自由度を保ちつつより深く理解できるようになっているのでかなりおすすめ!自身の歌詞を大切にしていてかつリスナーとの距離の取り方が上手で本当に頭がいい人なんだろうなと感じました。こうしたらこう思うだろうみたいなことが簡単にできてしまう天才さ、、ジョンレノンじゃん。

そして、本題のアルバムですがとにかくいい!!これまでの集大成って感じもするけど新しくてカオス。あとで詳しく書きますが、より外側に向いている感じがして、まさににようこそされてるアルバム。ジャケもめちゃくちゃかわいくてアルバムの内容に合いすぎてる。ヘルシンキこれから聴きたいと思っている人にはこのアルバムから勧めると思う。これは余談ですが今アメリカに留学しているので盤は家族に買っておいてもらいました。なのでまだサブスクでしか聴けていません。アナログで聴いたら余計化けそう。早く聴きたい、、、。

台湾の煙草

ドライヤーとTwitterの更新音に既に何回ビビらされたかわからない「台湾の煙草」ですが、YouTubeの試聴配信の時にコメント欄が「スピードじゃん!!」で埋め尽くされていたのを思い出しました。こういう遊び心ある仕掛けがヘルシンキらしくて早速1曲目からヘルシンキラムダクラブにようこそされている感じ。シンプルなインディーロックって感じのサウンドなんだけど歪んでいてよく動くベースとドラムの爽快感もあって独特な感じがする。そして、自分の中でヘルシンキ日本語で歌ってくれてありがとうポイントが今までの楽曲たちにいくつかあるんですけど、この曲の「どうなるどうなるどう?」はまさにそれでヘルシンキの日本語の使い方の柔軟さとワクワク感が表れていて大好きなフレーズです。最後のギターソロもありがとうって感じでほんと早くライブ行きたい。

Chandler Bing

「台湾の煙草」の盛り上がりからの流れも最高な2曲目「Chandler Bing」。トロピカルで若干サイケも感じる大好物なサウンドなんですけどベースラインが素敵すぎる。トロピカルで一括りにできない感じがするのはこのベースがあるからなんじゃないかと思います。ギターの浮遊感とパーカッションも最高。歌詞もすごい好きだし文字だけ見てもテンポが良くて韻の踏み方が気持ちいいのでこの曲も日本語で歌ってくれてありがとうポイントかなり高い。「フレンズ」の登場人物から影響を受けて書かれてるらしいのですが飛行機の中でちょっとだけみたことあるくらいで全然わからないので見たことある人からしたら歌詞の意味とか理解できるのかな。観なきゃー。

バケーションに沿って

3曲目「バケーションに沿って」。英語にすると"Along Vcation" になるので大瀧詠一の名盤「A LONG VACATION」からとっているのではないかと思ってこのアルバムの発売記念YouTube生配信でコメントしたら反応していただいちゃいました。そしてまさかのこれが本当にそうらしくて、裏テーマでその時代のシティポップ感を出したそうでシティポップ感の落とし込み方がノスタルジックな感じ上手く出ているのは流石に天才すぎるんじゃないかと思いました。余談ですが今度からこういう考察っぽいことnoteとかに書くことにします。なんかご本人に聞くの失礼だったなと思いました笑100はしーは嬉しかったけど!!「ポケットには思い出せない〜」のところが特にお気に入りです。急に具体的で特にノスタルジック。

Horse Candy

このアルバムの中で唯一ガレージロックっぽい曲な気がするけどやっぱりこの曲も今までよりも進化してる、、、(何様)。そしてはじめのハイハット近!1番目のサビが終わった後から出てくる浮遊感のあるギターリフがめちゃくちゃ好きです。2番目のサビから1オクターブ上がるところもたまらない。。。この曲も早くライブで聴きたいなー。

愛想のないブレイク (with FORD TRIO)

この曲は多分アルバムで1番か2番目に好きなんですけどめちゃくちゃHard to explainです。何度も繰り返されるあのなんとも言えない気の抜けたメロに急にヒップホップ的なドラムのフィルが入ってくるところがまずかっこいい。そんな居心地の悪いメロ(すごいいい意味)の後にFORD TRIOの演奏が入ってきた時の突破感がたまらなくて何回も聴いてしまう。あのアジア感のあるトラックかっこよすぎる。タイ語はなんて言ってるんだろう。そして戻ってきた時にはあの独特なメロが気持ちよく聴こえるのが不思議。FORD TRIOは「เปล่าเลย(なんにも)」でヘルシンキとコラボした時から聴いていて、相性の良さがよくわかるので今回もめちゃくちゃ嬉しい。いつかヘルシンキとFORD TRIOの対バンあるだろうなあ、、、絶対行きたい。最近アジアのインディーロックが熱いらしく、(落日飛車からなのかな)ヘルシンキは絶対もっと世界で聴かれてもおかしくないと思っているので他のアジアのバンドとコラボするのが余計嬉しい。前に書いた「外側に向いたアルバム」はそういう世界に向けた感じがするという意味で書きました。コーチェラでヘルシンキ聴きたい!

収穫(りゃくだつ)のシーズン

これ「しゅうかく」と「りゃくだつ」どっちで呼ぶ人が多いんだろう、僕はなんとなく「りゃくだつ」です。この曲はもう何回も聴いてるから新鮮な感想は出ないんですけど、ライブで聴くのが大好きな楽曲の一つ。ライブではギターソロを焦らされるのがたまらないですよねー。この曲のベースラインも大好きで、ついつい聴き入っちゃいます。

Golden Morning

この曲はかなりハードロックでツェッペリンっぽいことがしたいみたいことをインタビューで薫さん言っていた気がするんですけど、個人的に今ちょうツェッペリンを始めハードロックブームきてるので余計上がります。King Gizzard & The Lizard Wizardの「This Thing」を参考にしてるんじゃないかなと思ったんですけどどうなんだろう。最初の和太鼓っぽい音が入っているのでなんとなく全体的に「和」な感じがして面白い。この曲はずっとギターがかっこいい永遠に聴けちゃう。

触れてみた (feat. 柴田聡子)


「Golden Morning」からの緩急で泣いちゃいそうになるんですけど、この曲は歌詞の日本語が美しすぎる。「引っ越し」と合わせて聴きたくなります。特に「うらめしくて」が個人的にどストライク。柴田聡子さんの2回目の「そっと触れてみた〜」からのオクターブ上のボーカルと最後の方のハモリがすごい綺麗。リードギターも素晴らしくていつも思うけどタイキさんのギターはリバーブが心地良い。それから信じられないくらいいいギターソロ、、早く生で聴きたい。

Be My Words


ひとつ前の「触れてみた」からの曲間のタイミングがとてつもなくよくて急に重たいベースが急に鳴るところだいぶ鳥肌なので意識してその間を聴いてみてほしいです。この曲もすでに聴きまくってるのでライブの話になってしまうんですけど、NEW HEAVENのツアーで聴いたこの曲はだいぶニューヘブンだったな、、、。稲葉さんにライブでソロ吹いてほしい。

ベニエ

この曲までの3曲の流れ良すぎませんか。アルバムを通して聴く派なので嬉しい並び。この曲もギターの空間系のエフェクトがいい。インディーポップ/ロックをよく聴くのでタイキさんのギターは余計心地よくて大好きです。

See The Light

この曲は好きが詰まりすぎててはじめて聴いた時は思わずニヤけちゃいました。全然違う内容ですが、ビートルズの「A Day In The Life」を聴いた後と同じような感覚になります。ちなみに「愛想のないブレイク」の時に書いた1位か2位の片方はこの曲です。一発撮りなのもアツいしサイケ全開のギターもたまらない。「NEW HEAVEN」が今のところ今年一番聴いた曲になっている身としてはそこからこの曲までの流れをリアルタイムで追えてることが本当に嬉しい。King Gizzard聴きながら作られただけあって結構影響を感じるけどそこからヘルシンキの音にできちゃうのがすごい。The Dripping Tapと交互に聴いたりするのも楽しい。歌詞も大好きで「当然五里霧中」と「ごっちゃになっていく」の韻の踏み方とか最高で日本語で歌ってくれてありがとうポイント高い。ここまで壮大な曲にこんないい歌詞つけれるなんて改めて隙がないバンドだと改めて感じました。

気持ちが前のめりすぎてだいぶ汚い文章ですが以上です。よくインタビュー記事の最後に「今後の活動が楽しみだ。」みたいな決まり文句が必ずと言っていいほど書いてあるけど、ヘルシンキに関しては本気でそう思えるし、1番次の作品が楽しみなバンド。アルバムは毎作品全部違う顔があるしNEW HEAVENが出た時は改めてとんでもないバンドなんだと思った。そしたら今度は2分くらいの曲出すし、、、。だから決まり文句なのは変わりないけどかなり想いと期待を乗せた上で、Helsinki Lambda Clubの今後の活動が楽しみだ!!!


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