憲法#18 法の下の平等(概論など)
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法の下の平等
憲法14条より保障される。
「法の下の平等」とは制度であり権利である。
「平等」とは
①機会の平等である。対立概念は結果の平等。ただし、原則論であり、実際には社会福祉的政策により結果の平等よりに修正される。
②相対的平等である。対立概念は絶対的平等。例えば男女であればその差異を認めて女性のみ産休産後の休みを規定してもよい。
ex.労働基準法
憲法14条は平等原則を規定しているが、平等の意味には複数の考え方がある。
これらのうち、形式的平等とは、現実の様々な差異を捨象して原則的に一律平等に取り扱うこと、すなわち基本的には機会の均等を意味する。
これに対して実質的平等とは現実の差異に着目してその格差是正を行うこと、すなわち、配分ないし結果の平等を意味する。
また、平等の意味を相対的平等、すなわち等しいものを等しく取り扱い、等しくないものを等しくないと取り扱うべきという意味に理解すると、不合理な差別的取り扱いだけが禁止され、合理的な区別は認められる。
また、憲法14条第1項が規定する法の下の平等については法を執行して適用する行政権と司法権による差別を禁止するという法適用の平等を意味するという考え方と、法そのものも平等の原則に従って定立されるべきという法内容の平等を意味するという考え方がある。前者の考え方に立てば法の下の平等の原則に立法者な拘束されないという考え方につながりやすくなる。
憲法81条が裁判所に違憲審査権を認め、現実に裁判所が法令違憲の判断を下すことができるのは後者になじむものである。
立法者拘束説
「法の下の平等」は立法者自身も拘束し、法の実体や内容は当然平等でなくてはならない。
→立法者拘束説
14条2項後段について
例示にすぎず、それ以外の項目による差別も許されないとするのが判例。ただし、列挙された五項目は特別な意味をもつという説もある。この場合、五項目以外でも差別は許されないが、とりわけ五項目においては厳格であるとする説である。
性別
人種
信条 宗教の他、世界観や人生観、政治思想
門地
社会的身分 出生により決定するもので、高齢者は含まれない。なお、社会的身分について、嫡出子と非嫡出子の法定相続分に関する規定につき、憲法14条に反するとする判例がある。
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演習問題
次の設問に◯か✕かで答えよ。
①憲法第14条第1項に基づいて、 国に対し、 現実に生じている経済的不平等を是正するために金銭給付を求める権利が認められる。 (H30-2-ア)
→✕ 認められない。基本的に社会権も含めて憲法の条文を直接的な根拠として給付を求めることはできない。
②憲法第14条第1項は、 事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱いをすることを許容している。 (H30-2-イ)
→◯ 事柄の性質にかんがみて、いわゆる機会の平等を認めている。また、基本的には14条はこのような相対的平等を原則としている。
③憲法第14条第1項の「信条」とは、宗教上の信仰を意味するにとどまらず、広く思想上、政治上の主義を含む。 ( H30-2-ウ)
→◯ 宗教的信条、人生観、世界観、政治的意見を含む。なお、これらの価値観や思想は内心にとどまる限りは絶対的に保障されることにも留意。
④高齢者であることは、憲法第14条第1項「社会的身分」 に当たる。 (H30-2-オ)
→✕ あたらない。14条は差別が許されない「出生により決定される地位ないし身分」ではない。人種、信条、性別、社会的身分、門地の例示をまずは覚えておきましょう。
⑤憲法14条1項の「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」は特別な意味をもつため、限定的に列挙されている。
→✕ これらは例示であり、他の理由による差別も当然に許されない。
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