見出し画像

関係性って

「率直に結論から言うと、距離を置きたい。
この関係性は終わりにしよう」

恋人と別れた
というか、別れさせられた

初めてのお付き合いだった、お互い。

4ヶ月間、短いようで長かった。

私の中で、他人の価値観が自分の中に入ってくるという体験を初めてした。
元恋人とは、自分の内面のこと、心の中のことを話せる関係だった。私の性格上、自分の周りにいる人がどんなことを思っているのかなんとなくはわかるタイプ、と言うか考えずにいられないタイプなので、元恋人が私と似たようなことを考えていることは気の利く行動や優しくもユーモアのある言動から分かっては居た。ただ、大学の4年間一緒に過ごしてきたとは言え、ここまで深い話ができる人、それを理解してくれる人は初めてで、そう言う人だってことを確信したのは告白された日だった。

私にとってはそれが救いであり、喜びだった。

あの日は、桜が見頃を迎えた春の夜だった。訳あって同じ単発バイトをした帰りだった。駅の高いところにある公園でそういう話に明け暮れた。結論が出ないような内面の話。閉園のアナウンスが鳴って、帰りたくなくて、散歩した。駅の周りを一周した。それ以上でも以下でもなく、ただただこの人と、2人だけでしか分かり合えない話を延々として居たいと思った。さすがにこのまま外にいてもってカラオケに入った。私が男子とカラオケで2人きりなんてことがこの人生で起こるんだ、って思った。荷物を挟んで距離を置いた。でもそんなもんは意味がなくて、告白された。初めて異性に「好き」って言われた。

あー告白される時ってこんな感じなんだ。
頭真っ白になった。現実味を帯びなかった。

でも、なんとなく彼と一緒になる様な気がして、付き合う前から未来のことを想像した時、横にいるのは彼だった。だから、付き合うまでの全てが違和感なく、どこか自然だった。
「よろしくお願いします。」と私たちは恋人という関係になった。

私は"恋人"という関係性が何か分からなかったけど。

それから4ヶ月、季節は春から夏になった。
冬になったらいっぱいくっつけるなって、汗だくの彼を見ながら思ったっけ。

「話したいことあるから、会おう」ってLINEが来た時からなんとなく分かってた。

会った瞬間も、別れ話をする時も、去っていく瞬間も優しい表情だった。
私も同じように、優しく冷静に振る舞った。
視界はぼやけて、声は掠れてたけど。


彼が帰った瞬間は、無茶苦茶泣きじゃくったけど、その反面、失恋ってこんな気持ちなのね、って冷静な自分もいた。
ひと泣きしたら、予定共有アプリも消したし、固定してたLINEも解除したし、写真も見えないようにした。
元恋人のことは考えるけど、悲しくはない。どんな関係性かは分からないけど、いつか2人で笑い合ってそうだと、また”なんとなく”思う。それくらい、2人の関係性は途切れずに繋がってる気がする。まあ、こちらから連絡することはしばらくないだろうけど。

彼方から告白されて付き合って、彼方から別れを告げられたから、「なにか流れてきて並走して、去っていった」という感覚だ。
私の病気にも理解してくれたし、初めてのお付き合いで新しいことをたくさん感じた。

喧嘩も全くしてないし、いい思い出しかない。
このまま綺麗な関係で綺麗な思い出にしたい。
これ以上続いても何もない気がする。

それが2人のゴール、結論なんだと思う。


最後に、ありがとうって言えて良かった。


あーあ、
これから春になるたび、
桜を見るたびに君を思い出してしまうよ。

春が一番好きだったのに。


最後まで読んでくださりありがとうございます^o^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?