ふと愛おしく感じるのは

ふと愛おしく感じるのは、決まって横顔


流れるような曲線
白い肌
まつ毛の生えぎわ


そしてさっきまでの話の内容を反芻して
隣にいることに安堵する

正面を向かれると少し緊張する


見られている分
一粒のでもいいから愛おしさを感じてもらえるよう
あなた用の表情に作り直す

あなたは少しずるいな

私のそんな気もしらず
お酒の余韻に浸っているんだろうな

ウイスキーのロックはまだ慣れなくて

喉がヒリヒリと熱くて頭がぼうっとする




わずかに纏っている煙草の残り香

喉から発せられる、推敲されたような言葉たち

その全てが私の心を擽る




暗がりでしか姿を見たことがないから

存在しているかさえ疑わしい


鴨川の流れよりも滑らかな
その横顔に見惚れる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?