その8「差し入れられたお茶。」

時計は15時半を分過ぎた頃、扉がノックされて男性の看護師さんが入ってきた。手には水筒を持っている。そして優しい声で「まつながさん、喉乾いてませんか?」と声を掛けてくれた。

昼ごはんの後は全く水分を採っていなかったので何となく喉は乾いていた。お願いします、と私が応えると紙コップに8分目くらい注いでくれる。手に取るとそれは温かな番茶だった。一口飲むと温かくなる、と同じくして心も温かくなった気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?