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 初めての椎葉村体験記① ~秘境の文筆家に興味を持って、村まで行くことにした~

 椎葉村って、どんな場所?
 このページを見つけてくださった方は、皆さま少なからずそういう疑問をお持ちなのではないかなーと思っているのですが、どうでしょう?

 という事で、皆さまこんにちは。
 商業デビューから今月(2024年3月)でちょうど一年が経ちました。小説を書いております、野菜ばたけと申します。

 今回は『秘境の文筆家』というかなり太っ腹な地域おこしに端を発し、椎葉村まで行ってきた! という話を書こうと思います。

・『秘境の文筆家』に興味のある方
・地域おこし協力隊や移住者として、椎葉村に行く事を検討している方
・旅行をしに椎葉村に行ってみようかなーと思っている方 

 などには、参考にしていただけるかなぁと思います。

 尚、これから綴るのは、最近初めて椎葉村という場所を知った人間が「もし自分が秘境の文筆家として移住をするとしたら」という観点で、色々とお話を聞いたり、村内を巡ったりしてきた感想です。
 椎葉村に対して無知だったり、自分のライフスタイル・これまでの価値観に照らし合わせて語る事も多いでしょう。それでもお付き合いいただける方、「暇だしまぁ、読んでやってもいいよ」という方は、ぜひ肩の力を抜いて読んでいっていただければ嬉しいです。

 書きたい事があり過ぎて、全編通して書いてみると、かなりの長編になりました。笑
 目次を辿って興味のあるところだけ読むもよし、上から下まで読むもよし。楽しみ方は自由です。




1.椎葉村に行こうと思った理由

1-1.私が椎葉村に興味を持ったのは『秘境の文筆家』があったから

 先程も書いた通り、私はつい先日まで……具体的に言うと、今年の1月末まで『椎葉村』という場所をまったく認知していなかったような人間でした。

 そんな人間が、何故椎葉村に行くに至ったのか。
 その答えは至極簡単。1月の終わりに『秘境の文筆家』というものを見つけたからです。

 『秘境の文筆家』という言葉を最初に見つけたのは、Xでした。フォローしている作家さんの一人が、ちょうど以下の記事を引用してポストしていたのです。

 簡単に言うと「最大三年間、給料と住む場所をタダで提供します。椎葉村で、本気で専業作家を目指してみませんか?」というような内容です。
 ものすごく作家の卵や新参作家にとっては待遇のいい話ですが、だからこそ「落とし穴があるかもしれない」と勘繰ってしまうのは、一種の防衛本能でしょう。
 誰だって騙されてバカを見たくはない。人として正常な警戒心だと言える気がします。

 実際にもう少し読み込んでみると、椎葉村に住んで本を書くだけでお給料と住む場所の提供が受けられるだけではなく、地域おこし協力隊としての一部金銭的なバックアップ(取材費の補助など)が受けられる上に、今村翔吾さんというめっちゃすごい作家先生(今村先生をご存じない方はお名前で検索してみると、どのように凄いのか、分かります。経歴も受賞歴も行動力もすごいお方なので、是非私と同じように「なんてこったい!」となってください。笑)と、先生が理事も務めている一般社団法人ホンミライの面談・執筆指導などが受けられる事も分かります。

 うーん、待遇がよすぎる。ますます怪しい……。
 上手い話には裏があるとか、よく言うじゃない?
 そう思ったのは、きっと私だけじゃない筈。実際に、似たような意見もX上では散見されました。

 じゃあ何故実際に椎葉村まで行ったのか。
 時間も旅のお金もバカにならないでしょうに……。
 そう思った貴方に答えましょう。

 そんなのもちろん「うまい話だから」ですよ!
 うますぎる話だけど、だからこそ信じたくなってしまった。
 私の事を知っている方ならご存じかもしれませんが、私、けっこう欲張りなんですよ。つまり我欲に勝てなかった。笑

1-2.『秘境の文筆家』はうまい話過ぎて胡散臭い? いや、実際にはうまい話ばかりでもない

 我欲に負けた私は、上記のリンク記事の他にも情報を集めました。記者会見のオンライン記事、先生が『秘境の文筆家』についてお話しされているYoutube。地域おこし協力隊『秘境の文筆家』の募集要項。
 その後も一応情報を追っていて、他の方々が書いた『秘境の文筆家』に関するnote記事や、公募ガイドの取材記事etc……。いっぱい追って読んだのですが、私が椎葉村に体験来村してみようと決めた時は、まだ募集要項までしか出ていませんでした。

 それらにすべて目を通して私が感じたのが、「いやちょっと待て、多分これ、うまい話ばかりでもないぞ」という事でした。
 というのも、この応募にはハードルがあるなと思ったんです。
 まぁある意味当たり前の事ばかりですが、一旦書き出してみましょう。

 はい、ドン。

①応募するからには、本気で専業作家を目指す必要がある

②今の生活環境を変えなければならない(⇒現在の仕事を辞めて椎葉村に移り住む勇気を持たなければならない

③椎葉村で三年間(いちおう要綱では最短一年と書かれているけど、私は行くなら三年居座る気で行きたい)住み続けられないといけない

 もうちょっと具体的に言うと、以下の通り。

<①について>
 前述の通り、実際に行く事になれば、先生やホンミライからの真剣な指導を受ける事になります。時にはうまくいかなくて思い悩む事もあるでしょう。だからまず、自分の作品や執筆技術に関するアドバイスを受ける覚悟と、それによって受けるだろう成長痛に耐えつつも書き続ける覚悟。

<②について>
 今住んでいる場所から見知らぬ土地への引っ越しや、仕事を辞める勇気など。今までの生活を変える(ある意味捨てる)覚悟があるのか。家庭がある方は、家族や親族との意見のすり合わせ……もとい説得ができるのか。

<③について>
 私は、②の生活環境を変える事(引っ越す事)と、③のその暮らしを続けていける事は、似て非なるものだと思っています。
 というのも、引っ越しは極端な話、一過性の覚悟でどうにかなりますが、暮らし続けるためにはその場に馴染んだり、その地の不便を受け入れ続ける必要があるからです。
 どの場所にも便利と不便は存在すると思うので、場所の良し悪しそのものというよりは、自分自身がその場所の不便を許容できるか・共存できるかに重きを置いて考えた方がいいだろうなと、個人的に思っています。


 つまり、本気で『秘境の文筆家』を目指すなら、色々な覚悟が必要だという事ですよね。

 これらのハードルを高いと感じるか、低いと感じるかは、人それぞれです。それぞれの人生経験が異なるのだから、当たり前の事だと思います。

 そういう意味では、私は比較的ラッキーだったと言えるでしょう。
 ①はすぐに決断できました。②は、幸いな事に幼少期から転勤族だったので、元々生活環境が変わる事自体にそもそも忌避感や不安はあまりありません。

 問題があるとしたら、③だけだなと思いました。
 ちゃんと3年間、まだ知りもしない椎葉村という場所で生活できるのか。
 募集要項やWeb記事など、諸々を読んで感じた先方の本気度を思えば、とりあえず応募して、行ってみて、「やっぱり無理でした、帰りまーす」なんて、絶対にできない。っていうか、したくない。
 そう思った時、募集要項に「実際に来村する事ができる」旨の記載を見つけたのです。

実際に椎葉村に行って、自分の目で見て確かめてくれば、私の意思も固まるのでは?』

 そう思った次の瞬間には、もう椎葉村役場の担当メールアドレス宛に「体験来村してみたいのですが」と打ち込んでいました。笑

1-3.この記事を書こうと思った理由

 そんな私が椎葉村に行ったのは、2月25日~28日の3泊4日(本来体験来村は2泊3日ですが、前乗りで一日多く泊まりました)。既に行って、帰ってきて少し経った訳ですが、何故今この記事を書こうと思ったかというと……純粋にいい経験をさせてもらったから椎葉村を応援したくなったからと、もうちょっとネット上に分かりやすい情報(口コミ的なものも含む)が落ちていればいいのに、と思ったからです。

 あとは、「せっかくの経験を忘れてしまわないように、自分用の記録として保存する」という意味合いもありますが、これは完全に私の都合なので横に置いておきましょう。笑

 とりあえず、いい経験への恩返しとまではいかないまでも、「少しでも椎葉村という場所が親しみやすい場所になればいいなぁ」という希望的観測の下、旅行記的なものを書く事にしました。

1-4.一つだけ、これは約束したい

 実際に椎葉村にはとてもよくしてもらったのですが、そうと書くとどうしても「いいところしか書かないんじゃない?」と思う人が出てきそうです。
 なので、先に約束しておきます。

 私は、椎葉村で実際に見てきた・聞いてきた物事について、嘘は書きません。贔屓もしません。
 だって、もし「野菜さんのnoteを見て『なんていいところ!』と思って行ってみたらめっちゃ大変だった……そんなの書いてなかったじゃん!」なんて事になったら、「裏切られた! もう二度と来ない!!」とか思われてしまいそうじゃないですか。いや、私なら実際にそう思うかも。
 でもそれじゃあ、むしろ椎葉村にとってはマイナス。恩返しにはなりません。

 なのでこの記事では、椎葉村に敬意を払いつつ、いいところも悪いところも、自分が感じたありのままをお伝えしていくというスタンスで書いていきます。
 もちろん言葉には十分に気を付けます。その点はご安心ください。

 ただ、冒頭でも少し書いたように、椎葉村に対して私はまだまだ知識が浅いです。実際に「3泊という短い時間ですべてを知った気には、到底なれないなぁ」とも思っています。
 ですから、もし無知故の誤りがあれば、ぜひ教えてください。貴方が書いたコメントも含めて、ここを読んだどなたかの参考になればいいなと思っています。

2.実際に体験来存してみた(4日間の記録)

 前泊を含めると4日間、私は今回の椎葉村来村に費やしました。
 ここからは、その内容を書いていきたい……と思うのですが、皆さんここまででお分かりの通り、話が長いのが私の悪いところ。
 流石に全部を1ページに収めると失笑レベルだったので、日にち毎にページを分けてみました。

2-1.【前日譚】初めて協力隊の体験来村を希望して「へぇー」と思った事、まとめ ※リンク

 どうやら椎葉村は『地域おこし協力隊』に熱心な村のようなので、もしかしたら他の協力隊募集の方もこのページにたどり着ているかもしれません。
 という事で、初めて地域おこし協力隊募集目的で体験来村の問い合わせをした私が「へぇー」と思った事をメモしておきました。
 ご入用の方、実際に連絡はしないまでも「どんな感じだったん?」と気になった方は、是非こちら⤵をチョロッと覗いて行ってください。

2-2.【0日目】椎葉村への行き方・お得情報編 ※リンク

2-3.【1日目】『秘境の文筆家』主要場所(椎葉村中心街)&大河内地区編 ※リンク

――4月後半に更新予定
※多少前後する場合があります。

2-4.【2日目】創作意欲が高まった、椎葉村を知るための観光編 ※リンク

――4月末ごろ更新予定
※多少前後する場合があります。

2-5.【3日目】地域おこし協力隊の方にお話を聞いてみた編 ※リンク

――五月頭ごろ更新予定
※多少前後する場合があります。


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