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【復刻版】背負う覚悟


はじめに

 さて。ようやく配信が終わりました。だから今日これをアップして、しばらくは自由作文と翻訳をちょこちょこ進める作業に戻りたいと思います。
 前説に入ると、この試合の焦点は『Win Or Go Home』でした。前回紹介したGame3で1勝を上げたものの、続くGame4では記憶する限りそれなりにぼっこぼこにやられ、かつもう一人のエースデジャンテもテクニカルファウルによりGame5への出場はできない、そういう状況でした。満足にローテーションも回せない中、チームは彼に託し、彼はチームを信じた。この一戦はまさにビリーブ。そういう戦いだったのです。

Quin Snyder

勝因は何でしたか
『我々は様々な方法で点をとることに貢献したからだ。リバウンドではJCがビッグプレーをやってくれたし、ボギーはいついかなるときも相手のディフェンスに仕掛け続けていた。まさに集結した努力が、そして我々がもっている折れない気持ちがチームの勝因だ。こういう難しいゲームでは特に強い気持ちが必要になる。試合中皆がずっとその気持ちを示してくれた。何度も何度も食らいつき、相手とのミスマッチを狙ってリードをとった。リードが開いては何度も何度も食らいついた。彼らは我々を捕まえることができなかった』

4Qで12-0のランを展開しましたが、その時のディフェンスについて 『時々、試合がプレーを作るときがあると思っている。そして、何度もボールはリバウンドの時に我々の手元に飛び込んできた。どっちになるか微妙なボールをトレイが弾いてリバウンドを取ろうとしたシーンなんかもまさにそうだ。オフェンスでは我々はいいテンポでプレーできた。出だしからトレイと作った部分でもある。試合の早い段階から、彼がプレーメイクしたいことは分かっていた。試合が進むにつれてペースは彼の手中に収まっていた。そして、彼自身の読みもより冴え渡っていた。だから我々は何本もシュートを決めることができた。シュートを打ち続けたからこそ、我々はチームとして一丸となって戦い抜くことができた』

トレイを後半交代なしで出場させましたが、彼から何か提案があったのですか
『彼を出場させ続けるのは挑戦だった。色々な曲をかけていくように、実際ならば彼を休ませてでもローテーションを動かすだろう。何故なら我々はチームに貢献したいという選手を多く抱えているからだ。それでも我々は1Qと3Qまるまる彼を起用した。それで1Qや3Qの最後どのようなプレーができたか、それを考えると、我々には彼がどうしても必要だった。ゲームを締めるためにはね。本来なら彼を休ませるところだったが、そうは出来なかった。彼は我々の今日のゲームに欠かせない存在だったからだ。よって彼はコートに出た。Qが切り替わる1,2分そこらでは彼が休むのは難しかっただろう。私には人の体力のバロメーターを目で見て判断することはできないが、このゲームを勝つためにはこの挑戦を乗り越える必要があった』

トレイがPOに行ったこの数年、あなたはいなかったが、彼は今日素晴らしい活躍でした。あなたが彼をクラッチモードにしたことについて
『彼が彼のやるべきことをやっているとき、試合は驚くほど簡単になる。彼は素早く、スペースを有効活用しなければならない。彼はスペースを活用するのがうまいからね。それが彼の意志でもある。シュートを打つことはとても重要だというコーチもいくらかいるだろう。しかし、私に言わせれば考え方以外の何者でもない。私は彼らの考え方をひとしきり変えてほしいわけではない。いつだって積極的にプレーすることが大事だし、我々も彼にはそう指導する。数試合前に彼がボールをドリブルしたまま持ち続けていることについてもね。彼はそうするときもあれば、そうしないときもある。ベンチの私を見てわかったという顔でね。そういうときは彼に何も言う必要はない。彼のためにレーンを開けているセットを組んでいる。そして、彼に合わせてペースを落としている。彼のチームメイトがコートを走っているときも、彼は自分に必要なスペースを探して、ボールを回す必要もある。ボールが手元にあるときの判断は本当に重要だ。私は彼がそれを出来ると思っている』

オコングが4Q全てを担っていましたが、マッチアップに関しても変更していきますか?
『彼はずっといいプレーをしている。マッチアップに関してもそれがプレーオフだし、我々の選手達は最初からそれを理解している。JCには彼らがスモールで来るならタイムアウトは取らないといった。彼らはビッグラインナップで来たから彼も留まった。それがチームに有益だった。いつだってそれは簡単なことじゃない。私の観点からは難しい判断でもないが、選手からしたら全員が快諾しているというわけでもないだろう。しかし勝つためには最善を尽くすし、困難なときも互いに支え合うチームだ。こういう、何が起きてもおかしくない環境においては、マッチアップは混ざり合うこともあるし、常に同じマークマンを探してついていくわけではない。しばしばボストンには意識的にスイッチさせている。彼らはオフザボールから動くのがうまいからね。我々にも'Next Man Up'の気持ちはあると思っている。彼らが試合を動かしたときは特に。それは目に見えるチームの支えだ。それはとても大きなことだ。我々が一体である限り、それは素晴らしいことだ。カペラが支え、JCが、ベイが支えている。チームが成功するためには必要なことだ』

負けたら最後のゲームでしたが皆最初から落ち着いているように見えました。あなたが彼らをそうさせたのですか?
『集中そのものだった。我々は勝たなければいけなかった。懸命にプレーすることがそれを現していたし、自分達のプレーを続けることが、何よりも意味があった。我々は決して挫けなかったし、それを示したのが4Qのランだ。彼らにはあのプレーが自身に繋がったことだろう。またしてもになるが、我々が結束したときどんなことが起きるかを見せてもらったと思ってるよ』

今夜トレイは彼のゲームに押し上げたが、今夜のプレーを見てコーチとしてどんな気持ちでしたか
『それは彼に聞いてやってくれ。コーチとしてはただ彼を信じていたよ。そして彼のチームメイトたちもそうだった。そして同じように彼もこのチームを信頼していた。誰かがコーナーでオープンだったら、彼は迷わずパスを出す。JCがコーナーから決めたのもまさにその形だった。そして、それらの決断を素早くすることができるのも彼だ。チームメイトたちにこれをすべきだと道を切り開くことが彼の役割だ。彼の目は本当に落ち着いていたよ』

最後のポゼッションはトレイがやると決めたのでしょうか
『ああ、そうだ。私は彼にボールを与え、他のメンバーにスペースを開けるように指示した。そして、彼に決めてこいと、可能ならリムに向かって試合を決めてこいと言った。ただ、もしスペースが確保できているなら、君の好きにやれと言った。本能のままにプレーしてこい、我々は君をいつだって信じてる、そう伝えたのさ』

John Collins

オフェンスで調子を取り戻したことについて
『素晴らしいよ。俺はここまで代償を支払い続けてきた。シュートが入らなくても、俺ができることでチームを盛り上げてきた。スペースを作ったり、オフェンスの動きの一部を担ったり、俺がやりたいこと、できることは何でもやった。いつだって俺がいいと思えることをしてきた。これを続けていくよ』

相手ディフェンスから離されてストレスのたまるシリーズだったと思う。どのように自分の気持ちを維持したのか
『俺達は変わらなかった。いつでも自信をもってプレーを続けていた。そして、いつでも積極的で居続けた。彼らは俺をいつでも助けてくれた。俺が積極的でいられたのは彼らのお陰だ。だから俺は自信をもって打ち続けることができた。ここからも大変だけど、俺達は信じ続けるよ』

チームとして押しきり、トレイが最後決めきったことについて
『4Qの少ない点差のなかで、ただひとつわかることがあった。皆も分かるだろ?今は何の時間かって話だ。アイス・トレイ・タイム。まさにそれだった。彼は彼のやるべきことをやった。まさにクラッチだったし、彼もこれを望んでいた。彼はビッグ・ショットを狙っていた。あのモードに入った彼を見るのなんか俺にとっては普通のことだ。そして彼はやり遂げた。これからも俺は彼を、俺の兄弟を支えていくよ。彼にはこれを続けてほしいね』

数年前のことを思い出しましたか?
『ああ。彼らにとっては思い出したくもないだろうけどね。ここにいる皆知ってるようにトレイはああいうところでやるやつなのさ。あれを決めたがっていたし、あの瞬間のこのチームを勝たせるのには最適解だったと思う。もう彼のことを話せないくらいだけど、俺はわかってた。彼は彼のやるべきことをやったんだとね』

Trae Young

最後のポゼッションのときの気持ちを教えてください
『俺達は1点差で負けていた。だから、本当はレイアップを狙いにいこうとしていたんだ。ペイントにドライブするつもりだった。それに間に合うくらいの時間はあったからね。ボールをもらってドリブルして誰かをヘルプに引っ張り出そうとした。俺にはまだ時間があったから、誰か他の選手にボールを出せる選択肢は残してた。ただ、ブラウンのディフェンスを抜くのは超至難の技だということも理解していた。彼は俺がさっき言ったみたいにドライブして得点することを想定していたはずだ。点を取るためにはレイアップかフローターか、ドローファウルかだとね。俺の目の前ではジェイレンが、そしてマーカスもヘルプに寄ってきたのが見えたんだ。そのとき、これはスリーしかないなと思ったんだ。それが残り4秒かそこらのときだ。俺がこの人生でやってきたことに全てを懸けて信じる必要があった。シュートに対しての揺るぎない自信に全部を懸けた』

4Qでは12-0のリードを取りましたがチームとしてディフェンスに必要だったものはなんですか
『俺が思うにこの試合は俺達のやりたいプレーをできたと思う。フィジカルにプレーすることで最後には相手のタフなシュートを外させることができた。そして、俺達は彼らをよりタフに打たせることもできた。俺達のパワーを最後まで繋ぐことができた。そして、オフェンスではとにかくペースをあげた。それが俺達のやったことだ』

このチームが次のステージに上がったのはやはりチーム全員の貢献によるものですか?
『全員が努力した結果だ。オコング、ボギー、彼らはすごいプレーをやってくれた。特にボギーはスターティングとして、以前はずっとその役割だったけど、ただ彼はそこでいいプレーをしていた。プレーオフって険しくて厳しいものだけど、そのなかでも彼は本当にいいプレーをしていたよ。ドレはいいプレーしてたしJCも俺達にビッグショットをもたらしてくれた。全員がチームを次のレベルへ導いた。俺達が今夜勝つためにはどうしてもそのジャンプが必要だった。そして、今Game6でデジャンテが戻ってくる。俺達はまだ次へ上れるよ。だって俺達は本当にいいチームだ。俺達がアトランタでプレーする準備はもう出来てるよ』

game6はどのような強さを見せたいですか
『俺達のプレーオフはまだ終わってない。俺達があとひとつ負けたら、終わりなんだ。今日と同じパワーを維持して、次も勝つ。俺達はその気持ちでホームに戻るよ』

後半まるまるプレーしたことについての心情
『俺はスナイダーHCを信頼してた。ただそれだけだ。彼が俺にしてほしいことに俺はプレーで答えただけだ。俺からも彼に「いけるぞ」って声もかけたし。彼が俺を信頼してくれた、そういうことだ』

Fxxk Trae Youngとニックスとのシリーズ以来でヤジが飛んだことについて
『今日はニックスとのシリーズみたいな気持ちにならなかったな。彼らは1Qの10分くらいからずーっとだったからね。それとは随分違うよ。時々そういう人たちが現れるけど、俺が思うにあのかけ声は尊敬だと思って聞いてる。俺の人生でも、ああいう声は多い。俺はそれにビビったりはしないし、懸命にプレーしてお返しするだけだよ』

前半ベイが好調だったことについて
『あぁ。前半彼がいいプレーをしてくれてたよね。ゲームの終盤でも試合に関わるリバウンドを取ってくれた。最初は大事なところでスリーを決めてくれたし、俺達にとっても大きいシュートだった。それが試合を掴んだし、何本のリードを取ることもできた。彼がシュートを決めてくれると俺達が楽にプレーできる。彼は本当にいいプレーをしたよ』

この2年のプレーオフの経験が今夜活きたと思いますか
『どんな試合でもコートに出て戦ったなら、経験になる。ただ、そうだね。俺には経験があるし、俺達の多くの選手が初めてという選手もいるよね。彼らにとってはものすごく大きな時間になったと思う。勿論俺の経験も活きたとは思うけどあの頃とはチームが違うし、これが初めてだって奴らもいる。チームが変わったら、その経験も変わるんだ。それでも俺達は正しいほうに突き進んでいくだけだ』

最後の一瞬に全てを懸けたと言っていましたが、アトランタに来てからああいうシーンは多かったと思います。どのような違いがありましたか
『時間と状況だね。俺達は負けてたし、ゲームも終盤だった。俺達のシーズンに王手がかかるところだった。だから俺が更に一歩積極的になる必要があった。間違えないでほしいけど、別に全部の試合を全力でやってない訳じゃない。俺は沢山のシュートを打つけど、あのとき大事だったのは、次のレベルに進むことだった。俺のチームメイトたちも俺を見て同じことを言ってた。まるで俺が俺じゃなくなったみたいなそんな感じだった。チームメイト達は俺に「おい、積極的にいけよ」「中に切り込んで点を取ってくれ」そういってくれた。俺は選手として、このチームのリーダーとして求められたものに答える必要があった。彼らは俺をこの試合中ずっと助けてくれた。俺に積極的にいけと言ってくれた。試合の最後でも俺にいけと言ってくれた。だから俺は彼らに俺ができることを見せたかったんだ』

4Q残り5分から静まり返った観客達を見てどう思いましたか?
『よかったよ。俺達が素晴らしいプレーをしたってことだし、嬉しいことに点差をひっくり返すこともできた。俺は点をとることに全てを注いだ。観客達が何を言おうが静まり返ろうが、俺の知ったことじゃなかった。ただ俺は勝ちたかった。一日の終わりの俺達が勝てば、それは敵地にも関わらず相手を静まり返らせることができるからだ。だから勝つことだけ考えてた。今夜勝てたことは嬉しいよ』

あなたがデジャンテにGame6で会おうと試合前に言っていましたが、試合後なにか連絡を取りましたか?
『ロッカールームでFacetimeでやり取りしたよ。最初にDJが俺に準備は出来てるって言ったんだ。試合が始まる前に俺達は必ず勝つから次のアトランタでプレーするぞって言ったんだ。全員でアトランタに帰るのが待ち遠しいよ』

最後に

めちゃくちゃ久しぶりにこの試合を見ました。当時俺見返したんだったかなとか思いながら、でも、ああ、見たなこの試合みたいな気持ちでした。むしろこれ4月下旬とかなんだけど俺はどうやってこの時期こんな全力翻訳をド平日に繰り広げていたのか、そっちが気が気じゃなかったですね。
冗談はさておき、この試合はデジャンテ不在、敵地、3-1の相手リードと思い返すにシーズンでも最大のピンチだったと思っています。正直、形はどうあれ、よく踏ん張りぬいたなと思います。2点差ということは誰がいなかったとしても負けていた可能性のほうが高かったはずだからね。
特筆するならボギー。途中は本当に神がかっていたかな。それからジョンコリのスリーが決まって彼が自信を持ってプレーしていた姿が今でも忘れられません。オコングは確か初めてのトップからのスリーだったし、JJも空けられたけど何本かは決めることができたのは自信につながったんじゃないかな。ベイは言うまでもなく左コーナーの覇者でありながら、粉骨砕身の活躍だったね。ドレは浮き沈みを1試合で繰り返し続けて途中でどっかに埋めてやろうかと持ったけど、それでもよく踏ん張った。カペはカペフックが決まらなかったけど、それ以外でのディフェンス、リバウンドでしっかり貢献してくれました。弟者、4分しか出してやれずすまんな。それからトレイ。お前は最高だ。最後あの場面独り相撲に行かずにチームを動かし続けた。間違いなくPGの仕事だったと俺は思ってる。

さて、いつもならハイライトだけど、今日はフル試合貼っておくから見てね


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