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技術士補への道(振り返り)

こんばんは。
実は昨年の11月末に、技術士一次試験を受験してまして。
先月合格が確定しましたので、備忘録としてnoteにまとめておこうと思います。

私は建設部門を受験してますので、あまり参考にならないところがあるかもしれません。

会社から、この試験を受けるように通達が来たのが、試験から約6ヶ月前の5月中旬でした。
そこから参考書を慌てて買い、既に合格したことがある人に勉強法を尋ねたり、分からない専門用語を解説してもらったりしました。
はじめは「週末にたくさん時間とって、そこで勉強しよう」と思っていたのですが
「15分でもいいから、毎日参考書を開くクセをつけよう」と方針を決めました。

私は土木専門の大学では無かったうえに、普段の業務内容も設計専門ではないのでかなりアウェイな状況でした。

技術士一次試験は、3つの科目を受験しなくてはなりません。
そして、それぞれの科目で最低5割得点していないと合格できません。
つまり、「捨て科目」というのが出来ないわけです。

その3つの科目というのが、下記になります。
①専門科目
②適性科目
③基礎科目

①専門科目は、文字の通り、自分の受験する専門科目に関する問題が出題されます。
前述した通り、私は建設部門を受験したので
土質や剛構造・コンクリート、トンネル、施工計画、空港、鉄道、都市計画などなど…
とにかく建設に関する必要な知識を蓄える必要がありました。
聞いたことのない方程式や、似たような専門用語をなんとか頭に叩き込みました。
過去問を何度も解いていると、「これ進研ゼミでやったやつだ!」状態になるので
頻出問題は絶対落とさないようにするのがコツだと思います。
あとは、出題されている中から自信のある問題だけ回答しましょう。回答数を間違えないように、必ずマークシートも確認しましょう。
最初の試験になるので、緊張して落ち着かないなら、まずは出題されている問題に関係なくても自分が覚えている公式を空きスペースに書いてメンタルリセットしましょう。

落書きする余裕がある…のか?


②適性科目
は、いわゆる「技術士」を目指す上で必要になる義務、責務に関する問題が出題されます。
道徳的に、「これはやっちゃダメでしょ!」と判断できる問題が多いのですが、
なにせ①専門科目の後のクタクタ脳みそには、
長文の問題文や重箱の隅をつつくようなひっかけ問題、紛らわしい長文の選択肢を見極めるのが非常に疲れます。
問題数に対して時間が多く取られているので、ここは一度深呼吸して落ち着いて解答することと
ひと通り解いた後に頭をリフレッシュさせてから見直しすることが大事だと思います。
あとは、最新の環境問題・エネルギー問題が頻出なので、それは過去問だけではなく自分で調べておくことが大事です。
SDGsの問題は、今後もしばらく出題されるような気がします。

③基礎科目は、本当に時間が足りません!ほんとに!
余裕ぶっこいてダラダラ解いていると見直しする時間が無くなるので、時間配分をしっかりしましょう。
特に、R4基礎科目は難化したと言われています。ややこしい問題がたくさん出ました。
過去問に無いような出題傾向になり、かなり焦りました。見直しの時間もとれず、試験終了時は完全に不合格を確信してました。
基礎科目は、技術士にとって必要なあらゆる科学基礎を問われます。高校レベルの数学、情報・システム、物理、化学、環境エネルギー等、各分野から出題されます。
私は同じ部署の数学・物理得意マンに数学と物理を教えてもらいつつ、Twitterのフォロワーさん(化学専攻の学生さんや高校化学で教鞭をとっている先生、現役お医者さんたち)に助けられて、なんとかこの分野の対策をしました。
高校の時から化学が壊滅的に不得意だった私ですが、実は今回の試験で化学分野は満点でした。感謝しても感謝しきれません。

よーく落ち着けば解ける数学問題(次へ続く)
ゴリ押しで答えを出した模様
2進法→10進法の変換
カッコの中がおかしいですが、
とにかく32という数字をいろんな進数で表したかった
汚い!けど理解したらしい
この3つは頻出です。丸暗記。
酸化還元反応について理解しようとしたとき
たぶん…各分子量を
C=12、H=1、O=16
として解いて、納得したやつ
同位体って聞いたことあるけど何なのよってやつ
DNAについて勉強してたやつ


…とまあ、こんな感じで周りの人の助けを大いに借りながら合格したわけです。
個人的に、試験1週間前の悪あがきがかなり効いたと思います。毎晩夜中まで、Twitterのスペースでお友達に監視してもらいながら勉強しました。

結果がこちら!

嬉しいですね

合格した人間が言うと鼻につくでしょうが、あえてお話しするとすれば、
合格するために勉強するのではなく、ひとりの技術者として必要な知識を理解し蓄えるために勉強すること」が大事だと感じました。

丸暗記するしかない問題もあります。
記憶力が試される問題もあります。

ただ、「どうしてその公式が必要なのか?」「施工方法の違いは、どうやって選定されるのか?」そういったことを深く考え、理解することで、変化球のような問題にも対応できます。

さらに言えば、試験に合格して、登録手続き後、「技術士補」と名乗ることができるようになったとき
私の見られる目は変わるだろうと思います。

技術士補なんだから、それくらい分かってるよね?」という前提で話が進むわけです。

社内でも、社外でも、「技術士補」を名乗るということは、それなりの期待を寄せられるわけです。
そしてそれに応えられるように、一時的で付け焼き刃的な試験対策ではなく
きちんと自分の知識として取り扱えるようにならなくてはならないのだなぁと
私は考えます。

偉そうにベラベラ書きましたが、試験の日は緊張でゲロ吐きそうになってました。
武者震いのような、謎の手の震えが止まらなくて、移動中の電車の中でも参考書を何度も落としました。
縁起悪すぎ!」と思いながらも、大好きなPerfumeの曲を聴いて気持ちを落ち着かせていました。
試験会場に着くまで、ずっとリピートして聴いていた曲…それは、アルバム『Perfume The Best "P Cubed"』に収録されている、「Challenger」です。

眩しい光を超えていつかいつか跳べる?
あの日のボクらに笑顔でいられますように
夢を見捨てないで 涙で未来がぼやけても
今しかできない 掴め!ボクたちは挑戦者
「Challenger」より


さて、R5技術士一次試験の受付が6月頃に始まります。
全国から、たくさんの挑戦者が応募することでしょう。
私の会社からも、初めての挑戦者やリベンジする挑戦者がたくさんいるでしょう。

どうか、最後の一瞬まで諦めないでください。
分からない問題、覚えられない単語、たくさんあると思います。
誰だって、初めは知らないことだらけです。
知らないことを恥じることはありません。
分からないことも、周りを探せば教えてくれる人が必ずいます。
どこが分からないのか、どこまで理解ができているのか、明確にしてから質問できるとより良いでしょう。

あなたは挑戦者です。立派です。
胸を張って、堂々としてください。
初めの一歩を踏み出す勇気を大切に
日々の努力を忘れずに頑張ってください。

合格・不合格は後からついてくるものです。
結果だけで、それまでの努力を判断してはいけません。
努力した時間は、あなたの今後の歩みを必ず力強くしてくれるでしょう。
あなたに協力してくれた人たちは、あなたの背中を優しく押し続けてくれるでしょう。

驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし。
『徒然草』第85段


みなさんの健闘を祈ってます。


チャレンジしようと決めた瞬間から
あなたはもう技術士への第一歩を
踏み出しています

こう言うわけです。

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