IIDX☆12難易度推定サイトCPI(β)についてのごあいさつと雑記
こちらの記事を投稿してから2ヶ月弱、とある友人の大いなる協力の結果、ついにIIDX☆12難易度推定サイトCPIを公開することができました。
公式csvをアップロードすることで、IIDX26以前のプレイ済☆12についてのクリア力を、プレイヤー同士の勝敗に基づくレーティングの形で知ることができます。
さらに求めたレーティングから、回帰分析によって予測クリア確率を算出し、未達成のクリアランプについて表示します。
現在(2020/3/21時点)オープンβテストを実施しており、今後の正式サービス開始に向けて、鋭意改良を行っているところです。
IIDX版”リコメンド”を作ってみたい、というささやかな夢が叶い、本当に嬉しいです。これまでに大変多くの方々にご支援・ご協力を頂きました。この場を借りて改めてお礼を申し上げたいと思います。
今後も多くのIIDXプレイヤーにとってモチベーションの向上・維持に繋がるような活動をして、大好きなIIDXと音ゲーの発展にほんの少しだけでも役立てたら、この上ない幸せです。
さて、真面目な前置きはこれくらいにして、今回の記事ではCPIで表示されるレーティングについて、客観的な事実と個人的な感想を書いていきたいと思います。ぜひ肩の力を抜いてお読みください。
CPIにおけるレーティングについて
CPIサイトに表示されるレーティングは、平均を1500、係数を400とする標準的なイロレーティングとなっています。
定義に従うとすると、レーティングが自分より100低い相手に対しては、1/(1+10^(-100/400)) ≒ 64%の確率で勝利するということになります。すなわち平均的には、レーティングが自分よりちょうど100低いプレイヤーを100人集めたとき、(互いに既プレイの)☆12クリアランプで勝ち越しているプレイヤーは64人いる、ということになります。
このようにレーティングは勝率によって規定されるので、プレイヤー人数に対する割合は別個に求める必要があります。簡単にまとめたものがこちらです。
左から2列目、「上位%」とは七級~皆伝の全プレイヤーについての割合を示しています。
この割合と、以前も記事で紹介したこちらの記事(http://sucrose.hatenablog.com/entry/2018/01/29/000018)を参考にして、AtCoderのような感覚でレーティングと色を対応させたものがこちらです(黄色が見にくくてすみません……)。
ここからは、それぞれのレーティングについて簡単な説明と個人的な感覚を書いていこうと思います。
1200~1399(上位48%、茶色)
SPの段位認定に☆12が登場するのは九段からですが、九段平均は1300程度なので、ちょうどこの辺りです。
☆12に挑戦を開始したところで、ハード狙いは厳しいという感覚の人が多いでしょうか。
予測クリア確率がレーティング1200で50%程度となるようなクリアランプは、
・イージー:紫陽花 -AZISAI-、Please Welcome Mr.C、Raspberry Railgun
といった辺りになります。
簡単な方から数えて10番目くらいなので、☆12イージーが10個点いたらIIDXプレイヤーの上半分、と乱暴に言っても良いかもしれません。
僕が弐寺を始めた頃(Resort Anthem)と比べると、全体として分布が上に寄って来ているイメージがあります。
段位人数の集計をしている方によると、ここ数作は初心者の流入が減っているそうなので、その辺りが関係しているのかもしれません。
1400~1599(上位35%、緑色)
段位認定が全曲☆12になるのは十段からです。十段平均は1450程度なので、十段から中伝にかけてのプレイヤーがこの層にいると考えられます。
☆12にイージー、ノマゲ、ハードがバシバシ点きはじめて、人によっては1曲目から☆12が選択できるSTEP UPモードを愛用しているのではないでしょうか。
レーティング1400と対応するクリアランプは、
・イージー:夏色DIARY - L.E.D.-G STYLE MIX -、旋律のドグマ~Miserables~、FUZIN RIZIN
・ノマゲ:encounter、The Sampling Paradise、F
・ハード:千年ノ理、SPECIAL SUMMER CAMPAIGN!
となります。
イージーは簡単な方から100番目くらい、ハードは最も手の付けやすい辺りの譜面になっています。
1600~1749(上位20%、水色)
中伝平均が1600程度なので、中伝の上半分~皆伝を狙う層が入ってくると思います。
この辺りになると未イージーは数えられる程になり、新規ランプのメインがハードになっている人も多いでしょう。また、☆12にいくつかエクハを点け出したプレイヤーもいるはずです。
レーティング1600と対応するクリアランプは、
・イージー:The Chase、GuNGNiR、Almagest
・ノマゲ:EXUSIA、fallen leaves -IIDX edition-、キャトられ恋はモ~モク
・ハード:Sense 2007、Amazing Mirage[L]、neu
です。イージーは難しい方から60番目ほど、ハードはちょうど真ん中くらいです。
個人的な思い出ですが、中伝の登場以前はこの辺りの坂が長く、全然地力も無いのに皆伝を受けては爆死して、はじめてのスランプを経験した辺りです。
このレーティング帯に位置する譜面を眺めていて、最近は練習曲が増えて良いなあ、という気持ちになりました。
その反面、以前と比べると皆伝合格時の平均的な地力が上がっているように感じられ、皆伝に必要な能力は結局あらためて養う必要があるようにも思います。難しいですね。
1750~1899(上位11%、青色)
皆伝中央値が1850程度ですが、皆伝より上の段位が無いことを考えると、おそらくこのレーティング帯が皆伝適正といった辺りなのではないでしょうか。
未イージーはかなり少ないですが、それでも片手で数えられるという人は少ないと思います。未難の数を記憶している人が増え、人によっては☆12初のフルコンを点けているかもしれません。
レーティング1750と対応するクリアランプは、
・イージー:灼熱Beach Side Bunny、DIAVOLO
・ノマゲ:The Chase、焔極OVERKILL、EBONY & IVORY[L]
・ハード:音楽、嘆きの樹
・エクハ:GAIA、A、encounter
です。イージーは☆12の中でもかなり上位の譜面と言って良いでしょう。ハードは上位10%程度、エクハは簡単な方から10%くらいです。
AtCoderの各色についてchokudaiさんがまとめているブログによると、
青は超優秀です。学生時代を競技プログラミングに注ぎ込んでも、ここにたどり着けない学生は大量にいます。競技プログラミング未経験者では、このレベルと競技プログラミングで戦うことは殆どの場合は無理です。
とのことです。全然関係なく割合だけで決めたこちらのレーティングですが、なんとなく皆伝の説明文としても当てはまっているような気がします。
うろ覚えですが、昔とある18禁のリズムゲーム(そういうのもあるんですよ)の体験版が公開されて、超高スコアを叩き出せば製品版が無料!という企画がありました。
18禁ゲーの掲示板ではほとんど誰も解禁することができませんでしたが、当時の皆伝スレに紹介したところ、ほぼ全てのプレイヤーが無料で製品版をゲットしてしまい、どちらの界隈でも話題になっていました(……というような記憶があります。当時について詳細に覚えている方がいらしたらご一報ください)。
実際、IIDX皆伝ともなると大体の音ゲーは初プレイから30分くらいで平均以上の腕前になってしまうと思います。
ストイックな人ほど「皆伝まではチュートリアル!」みたいな過激なことを言いがちですが、20年の歴史があるIIDXの最高段位ということで、憧れを抱いている人も大勢いるはずなので、あんまり強い言葉は使わないようにしたいですね(自戒をこめて)。
1900~2049(上位5%、黄色)
ここからAtCoderで言うところの「暖色」です。もう段位にはあまり執着の無いプレイヤーが増えてきます。かなりの人は充分に☆12でAAAを狙うプレイをすることができるでしょう。
この辺りで☆12から点滅(未クリア)が無くなった、という人も多いのではないでしょうか。未難は一桁以下、埋めていればエクハが半分以上、というランプ状況になるはずです。
レーティング1900と対応するクリアランプは、
・ノマゲ:KAMAITACHI[L]、卑弥呼、Verflucht[L]
・ハード:Go Ahead!!、Plan 8
・エクハ:轟け!恋のビーンボール!!、Ubertreffen[L]、Sense 2007
です。
このレーティング帯くらいからは、エクハを真剣に狙っているかどうかでかなり値が変わって来るので一概には言えませんが、普通のゲーセンでIIDXをプレイしていたら、その時間帯では最も上手いプレイヤーということも珍しくなくなると思います。
個人的な感覚ですが、えっこの人って音ゲーもやるの?みたいな人が、実はこれくらい上手かったというのがありがちなラインが「暖色」以降のレーティングだと感じてます。なので大したことの無いように見えてしまうこともありますが、間違いなく上位5%の上級プレイヤーです。
2050~2199(上位2%、橙色)
筆者はこの辺りに位置しています。だいたい未難は0~5の間になるのではないでしょうか(1がマジョリティだと思います)。☆12フルコンもそんなに珍しくない実力のはずです。
多くのIIDXプレイヤーにとって、プレイしているところをチラ見したくらいでは、「黄色」プレイヤーとそこまで大きな差を感じないと思います。特に☆12をプレイしていなければ瞬時には判別できません。☆12フォルダを開いている時にランプ状況をジロジロ確認する必要があります。
ですが、当事者同士だとけっこう差を感じるラインです。この辺りからクリア力が丁度いいライバルを探すのが難しくなって来ます。
レーティング2050と対応するクリアランプは、
・ハード:X-DEN(ICARUS[L]に次いで2位)
・エクハ:Confiserie、廿[L]、Initiation
・フルコン:gigadelic[A]、ZZ、Dr. Chemical & Killing Machine
です。エクハは上位60番目くらい、フルコンは下位20番目くらいです。
ちょっとしたゲーセンなら、常連の中で一番上手いこともあり得るレベルです。日本人全員がIIDXをプレイしている並行世界でも、クラスで一番上手い計算になりますもんね。
ですが、このレーティング帯のプレイヤーは、あまり自分のことを「IIDXが上手い!」と自信を持って言えない人が多いのではないでしょうか。少なくとも自分はそうです。
地方ランカーや全国ランカーの知り合いが普通にいて、そういう人達の凄さがありありと理解できるようになってくる辺りです。
2200~(上位1%、赤色)
未難は多くても1だと思います(ICARUS[L]を50%の確率でハードできるレーティングは2264です)。本人はどう思ってるかわかりませんが、誰が見ても上手いです。
レーティング2200と対応するクリアランプは、
・エクハ:3y3s、Carmina、真 地獄超特急 -HELL or HELL-
・フルコン:KILL EACH OTHER、Feel The Beat、LASER CRUSTER
です。エクハは上位1割以内、フルコンは下位2割といったところです。とは言っても、フルコン自体が他のランプと比較してかなり個人差が大きいのですが。
これくらいだと後ろ姿からして明らかに上手いと思います。
ちなみに、IIDX26終了時点で最上位のプレイヤーは、レーティングにして3200を超えています。何がなんだか、という気持ちになります。
おわりに
今回の記事では、クリア確率推定サイトが公開されたごあいさつと、そこで表示されるレーティングについてのちょっとしたまとめをさせて頂きました。
サイトの機能的な改善と並行して、このようなデータに関する情報のまとめも進めて行きたいと考えております。何か気になること、まとめて欲しい内容がある方は、筆者(@rice_Place)またはIIDX☆12難易度推定サイトCPI(@IIDX_CPI、FF外からのDM開放中)までご連絡ください。
それでは、良き音ゲーライフを。
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