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妄想代償感傷連盟を語る

 

 皆様こんにちは!久しぶりのおこめです。
 今回はボーカロイド曲の「妄想代償感傷連盟」を語り尽くしたいと思います。DECO*27さんの代表曲の一つでもあり、落ち着いていてどこか儚い雰囲気にかつては心を掴まれましたね...…。この記事では好きなポイントを曲(リズム等)、歌詞、MV、初音ミクの4つのポイントから話していきたいと思います。


コントラスト

 この曲は盛り上がる所は盛り上がりながらも、全体的に落ち着きがある感じに仕上がっています。最初のAメロはメインのメロディーしか流れていませんが、それ以降は心臓の鼓動のようなものを聞き取ることができます。恋愛についての曲だからでしょうね。妄想代償感傷連盟はこんな風にメロディーごとのコントラストが綺麗に仕上がっています

 微かな雰囲気の違いは他でも感じ取れます。「知っちゃった」以降では手拍子のような優しい音が聞こえます。メロディー自体は切ない感じなので、それに気付いてしまった自分を励ましているようです。またよく聞いてみると、サビよりもその後の「愛や厭」の方が盛り上がってるんですよね。恋をしている時よりも、終わってしまった時の方が感情の変化が大きい、ということなのかも...…?

ラスサビ

 この頃のDECO*27さんの曲には「ゴーストルール」や「ライアーダンス」、「リバーシブル・キャンペーン」などがあります。妄想代償感傷連盟は、これらの曲と比べると静かで落ち着いた感じが強いですよね。そういった印象になるのはラスサビの影響が強いのでは?ということに気付きました。

 というのも、さっきあげた曲は全てラスサビになると転調しています。ミクちゃんの声も裏返り、まさに曲の最後の盛り上がりにふさわしくなります。ですが、この曲はそのまま。特別音が大きくなるわけでもなく、普通のサビとなんら変わらず進んでいきます。コントラストのところでも書きましたが、やっぱり強くなるのは「愛や厭」。優しい雰囲気にも関わらず、頭に残りやすいのここが大きいからでしょうね。それにしても、メロディーだけでこんなに考察が出来る曲を作るとは、流石DECO*27さん...…脱帽です。

歌詞

失恋

 曲のところでも触れましたが、この曲は恐らく失恋がテーマなのでしょう。それもあってか歌詞は「終わってしまった愛」を表現しているのですが、その言葉選びがとても上手いんです。

 例えば「大嫌いを裏返したとて そこに大好きは隠れてないと」。大嫌いと言われても信じていたのに、結局その後ろに自分の求めてる気持ちはなかった、という事なのでしょう。こういう時よく使われる表現って「大嫌いの反対」とか「大好きはない」みたいになると思うんですよね。でも歌詞の方だとさらに切なくなって、相手の恋愛感情がもうないことを悟ってしまったよう。無意識レクイエムの時もですが、こういう小さい違いで印象がだいぶ変わる辺り、言葉選びって本当に大切なんですね...…。

 先に言わせてください。DECO*27さんは本当に韻の踏み方が素晴らしい。まずタイトルの「妄想代償感傷連盟」と二番以降に出てくる「通称愛情対象年齢」。切ない言葉をただ組み合わせただけじゃこんなの出てきませんよ。一体どんな発想があったらこんなのに行き着くんですか!?

 無意識レクイエムの時も絶賛したんですけど、ちゃんと曲の意味を残しながら韻踏むのって絶対難易度高いですよね。個人的にサビの「再挑戦 転生 テレポーテーション」が好きなんですけど、これも恋をやり直したいみたいな意味がしっかりと考察できるの本当に尊敬します。あれ、これ全部触れてたら時間なくなるのでは......?

MV

檀上大空さんの絵

 妄想代償感傷連盟のMVを作っているのは檀上大空さんなのですが、実はこの人は他にもたくさんのボカロ関係の絵を描いていらっしゃるんですよね。この曲と同世代のものだと「ネガティブ進化論」や「フリーダム・ロリータ」、最近は「キャットラビング」が有名でしょう。皆さんも一度はMVを見たことがあるんじゃないでしょうか?

 並べてみるとよく分かるんですが、この7年間くらいで絵柄がかなり変わっています。妄想代償感傷連盟の時は水彩を思わせるような、優しい色合いが特徴なのに対し、最近は結構ハッキリとしていて、ビビッドカラーが多用されています。服装も、フリルが付いたドレスなどの、世間一般で言う地雷系に近い感じの物が多くなっています(MVを担当する曲や大空さんの好みにもよりますが)。どっちがいい、と決めることは不可能なくらいどちらも素敵なのですが、私は結構昔の方に慣れてますね。

アニメーション

 こんなにぬるぬると動くアニメーションを見たのは、この曲が初めてかもしれません。カードをめくるシーンとか、ナイフを動かすシーンとか...…そういう細かいところまでちゃんと力が入ってるんですよね。キャラの動き方なんかも、そのキャラの性格とか気持ちがしっかり現れているし...…絵だけでも凄いのに、本当に檀上大空さんは多才ですよね。

 後、こういう比喩に近い歌詞にピッタリと合うアニメーションを作るのって、すごくセンスが必要だと思うんです。「二酸化の炭素」で儚く泡が出てたり、「身勝手だって言われてもペロリ」で生クリームを絞ったり、発想の転換みたいなものなのでしょうか。自分だったら多分、普通に舌舐めまわしてる所しか描けないでしょうし...…。

初音ミク

MVの初音ミク

 今回のMVに出てくるミクちゃんは、おそらく学生なのでしょう。いつも付けている華やかな飾りはなく、着ているのもセーラー服です。一見するとミクちゃんっぽくないけれど、なんとなくミクちゃんだと分かる。

 記事を書き始めた時は少し不思議でしたが、何度も見ると色が関係しているのでは?と気付きました。ミクちゃんのイメージカラーが水色と黄緑の中間くらいなので、寒色だと脳がちゃんとそれを初音ミクとして意識するんですよね。個人的に活発なイメージがあるミクちゃんですが、今回は儚い雰囲気を纏っていてまた素敵。檀上大空さんには感謝しかないです。

初音ミクの調声

 この曲自体は悲しいテーマですが、初めて聴いた時はどちらかというとミクちゃんの声が明るかったんですよね。だからなんとなく「今回の曲は比較的ポジティブなのかな?」と思いました。ただ後で歌詞単体で見てみると、全然そんなことはありませんでした。

 そこで何度か聴き直してみたところ、ミクちゃんの声は抑揚が意識されていることに気付いたんです。確かにAメロ、Bメロ、サビなどの声はよく通っているんですが、サビ前の「血走る願いはやがて安堵」やラスサビ前なんかは声がかなり籠ってるんですよね。失恋したことを必死に隠して明るく振舞っている、でも時々それが難しくなってしまう、ということなのでしょうか......。人間のような感情をミクちゃんの歌声に出させるというのは、まず簡単に出来ないことだと思います。

最後に

 始めに、3か月も期間が開いてしまい、本当に申し訳ございません。遅くなった理由はいくつかあるのですが、多分主なのは勉強ですね......。これからまた更に忙しくなってしまうので、またかなり開いてしまうと思います。来年くらいには安定させられるよう頑張ります!次の記事も楽しみにしていてください!

 それでは最後までありがとうございました!

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