読書メモ『スイート・ホーム』

『スイート・ホーム』著者:原田マハ

メレンゲの焼き菓子みたいに、ふんわり軽くて、口に入れるとシュワっと甘くとける、そんなお話でした。

原田マハさんの小説はいくつか読んでいて、とても好きな作家さんの一人です。最初に読んだのが『カフーを待ちわびて』でした。
その後は、美術作品をテーマにした本をよく読んでいました。
とくに好きなのが『異邦人』なのですが、それはまた別の機会に書きたいと思います。

本書は美術とは関係ない、洋菓子店が舞台のお話です。
家族で営む洋菓子店スイート・ホーム。
心優しい人しか出てきません。安心して読めます。
そして読んでいるだけで甘いお菓子の香りを感じることができます。

好きな人と結婚して子供ができて、夢のマイホームで暮らす。
それが幸せの象徴だと明示されるのは個人的に少し苦手ですが・・・。
「ささやかな幸せ」って、それ全然ささやかじゃないよ?
むしろ奇跡だよ!とツッコみたくなる。笑
ひねくれ者ですね。

ひねくれ者の私自身の感想はさておき、
店員さんの人柄がいいお店に通いたくなる気持ち、わかります。
商品やサービスがいいのはもちろんですが、働いている人が素敵で応援したいと思えるお店で買いたいと思う。
スイート・ホームはそんなお店。接客が丁寧で、素朴でも美味しいスイーツがあって、みんな笑顔になっていく。
近くにこんな洋菓子屋さんあったらきっと通ってしまう。

読んでいると無性にスイーツが食べたくなる・・・久しぶりにケーキ屋さんに行こうかな。
お菓子の甘い香りと、ほっこり幸せな気分を味わえました。
ありがとうございました。


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