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中部電力MIRAI TOWERと加藤珈琲店を紹介したい(3/4)

360°見渡せる展望台から望遠鏡まで使えたのに、次の目的地のことをすっかり忘れていた。甘いものは口にしたかったようでコンビニも目に付いたが、折角だしと喫茶店を調べる。15時45分までの営業時間表示に、むしろすいてそうだと運命を感じ向かってみた。入ったことのない店構えにたじろぐも、黒板のメニューに酸味はなく、感じたものにも背中を押され扉を開ける

案内された奥のカウンター席は正面についたてがあり、隣席と、離れたテーブル席がいくつか窺える。既に開かれたメニューに目を通すと、コーヒーは深煎りから浅煎りの4種、更に良い豆や軽食も用意されている。酸味のない濃い目の深煎りが好みだが、松竹梅梅と並べられた上に、松の方には
【「私、濃いのが好き!」と言われたら、迷わずこのコーヒー豆をおすすめします。】
竹には
【"ブレンド珈琲豆の最高傑作"です。絶対美味しいです!!】
とあったので、迷わず竹に決めた。

幸運にもわかりやすくケーキ的なものを食し終えたであろう者達に挟まされている。再びメニューを見れば確かにケーキ2種が用意されており、綺麗に召し上がられた方の、反対にある皿にはかつて"特製ブラウニー"が載っていたようなので、チーズケーキを選ぶ材料とした。

ついたてに身を隠されながら何とか注文を済ませ待っていると、常連の風格魔塔マダムが空いた私の右隣に座る。程なくして竹とチーズケーキが運ばれてきた。いざ尋常にと構えるが、相手の構えは既に私の勉強不足を咎めていた。

この蓋どうする問題

いっそ完全に密閉されていれば、取らねば飲めぬとすぐ取れるものだ。しかし注ぎ口側にはこれ見よがしの隙が設けられており、蓋をしたままでも注げるかもしれない。ただ、蒸気を逃がすための通気口、と説明されればなるほどと頷ける形状に思えた。かといって蓋を取り傾ければ、この隙が受け止めるはずだった封じられし不可食部がドポドポとまろびでるかもしれない。透かして見るのはあまりに無遠慮で、上手ぶりのあと蓋とって注ぐアホになりかねない。以前、卓上調味料の補給用開栓からこれでもかと中身を入れてしまった経験は、蓋取らない派に一票を投じる。周りを見回すが左隣はオーダー待ち、右隣の魔塔マダムは松単品を注文したばかりだ。離れたテーブル席との距離は絶妙で、良い空間づくりに目を細める。正面のついたても変わらず良い仕事をしている。

この間にも敵は冷めていく、蓋が保温のためだとすれば何とよく考えられた壺だろう。いっそ調べようにも壺の名すら怪しく。後日蓋をしてない動画も、蓋したままの動画もふたつずつ確認したので、多分どちらでもよい。


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