靴型の乗せ甲と幅はり
サンプルを作った靴型の幅が狭いなー、甲が低いなー、と感じたときはメーカーさんに靴型の調節をお願いします。
まだ生産用のプラスチックの靴型(プラ型)を作っていない時は、そのまま調整をお願いしますが、すでにプラ型があるならば、プラ型に革を貼ってもらう調整をお願いします。
でも!その前にサンプルを試し履きしてくれる足入れさん(靴のフィッテングモデル)の足を測って、彼女がちゃんとしたサイズかを確認してください。
(足の測り方はコチラに記しています)
もし時間的に余裕があれば、メーカーさんから靴型を借りてきて、足を測った時のサイズ用紙の上に靴型を乗せて靴型と足の足周(ボールガース)の位置を確認してください。
(ラストのボール位置の測り方はコチラに記しています)
木型と足入れさんの足のボール位置がかなり違うと、いくら靴型を調整してもらっても足入れさんの足には合わないです。
靴型は主に甲の調整と幅の調整をメーカーさんにお願いします。
親指と小指の付け根の幅を広げてもらうのを「幅貼り」、甲を高く調整してもらうのを「乗せ甲」と呼びます。
赤い部分(幅はり)と青の部分(乗せ甲)に革を貼って調整します。
乗せ甲は側面からみたら青の部分に革を貼ってもらいます。↓
調整お願いの仕方は、「親指の付け根がきついので、1mmの厚みの革で幅貼りお願いします」とか「甲がきついので2mmの厚みの革を貼って乗せ甲お願いします」とか伝えます。
とってもよろしくないお願いの仕方は「靴がきついので、ちょっとゆるく調節してください」みたいな曖昧な伝え方。
横幅がきついの?甲がきついの?どれくらい?さっぱりわからないです。
きつい箇所をちゃんと確認したうえで、メーカーさんに伝えるようにして下さい。
ちょっときついなー、という場合はとりあえず「1mmの革を貼ってください」で、かなりきついかなって時は2mm以上の革でお願いしてみてはどうでしょうか。
たった1mmの厚みの革でも貼ってもらと、結構履き心地は変わってきますよ。
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余談ですが、前に新しく履き心地の良い靴のブランドを立ち上げた、靴問屋さんのベテランデザイナーさんが「うちの靴は幅が狭いですけど、そのぶん高さをだしてるので、すっきり見えて履き心地がいいんですよ」と語ってるのを読みました。
なんでやねん!ひとりで突っ込みました。
高さがあっても幅がきついと履き心地は良くなりませんよー。
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