ラフ仕様書2

靴作りの流れ

メーカー現場での靴の作り方をざざざっと紹介します。

ちなみに、本当にザザザッとなので、実際の靴職人さんには「そんなに簡単ではないよ!」と思われるくらい突っ込みどころは満載ですが、靴の作り方を全く知らない人に靴作りの流れをざっくり知ってもらうような感じで紹介したいと思います!

靴作りのスタートはデザイナーさんによるサンプル仕様書の作成です。

その仕様書の絵型を元に型紙職人(紙型師)が紙や専用のテープ(デザインテープやアルカテープと呼ばれる)を貼った木型にデザインを描き、紙を剥がしてデザインを平面に展開して、型紙を作成します。

型紙師が作成した型紙を元に裁断職人が革を伸びの方向と取り坪を計算しながら、革を裁断します。

革は生き物の皮膚なので(お腹いっぱい食べたら背中は伸びないけれど、お腹は膨らんだりするように)場所によって伸びの方向があるのを頭にいれつつ、裁断職人が効率よく革を裁断していきます。
この型入れは地味ながらも職人技が必要です。

イラストでは包丁で裁断していますが、生産では抜き型を作ってクリッカーという裁断機で裁断していきます。

裁断した素材を製甲職人がまとめていきます。

折り込んだり、革が重なったりする部分を革を薄く調整(革漉き)したり、トップラインが伸びないように伸び留めテープを入れたりしながら縫製してアッパーをまとめていきます。

製甲職人がまとめたアッパーを底付け職人さんが、木型に貼り付かせて成形していきます。

具体的には中底をつけた木型にアッパーを載せて木型の裏からワニと呼ばれる専用のつり込み金具でアッパーを引っ張って中底に接着していきます。

釣り込みは職人さんが手で釣り込むのを「手釣り」トーラスターと呼ばれる機械で釣り込むのを「機械釣り」といいます。

機械は効率よく釣り込めるのですが、ふんわり仕上げたり機械では難しいラストを釣り込んだりする時は手釣りになります。

本底とヒールも接着、または製法によっては縫製して仕上げ職人さんに渡します。

仕上げ場で中敷きを貼ったり、靴クリームで仕上げて、靴の形が崩れないように紙を詰めたりして、靴を箱入れして完成です。

#靴作り #靴生産 #シューズデザイナー #靴企画 #靴

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?