見出し画像

高校見学に行ってきた その1(八王子拓真高校、N高・S高)

夏休みももう残すところ2週間になりました。
夏から高校説明会や見学会が始まり、中学3年生の親子にとっては少しドキドキする季節です。

香川から帰ってきた長男は、祖父母に「読み書き計算ができないといけない」「高校ぐらい出ておかないと」と言われたからか、こちらに帰ってきてからは高校に行く気になっています。
なので、一人で行かなくてはいけないかと思っていた高校見学も長男と二人で行くことが出来ました。
学校が怖くて中学構内に足を踏み入れられなかった長男が高校見学に行く、それだけですごい進歩!

まず説明会に行く前に長男と話し合い、ずっと学校に行けていなかったのでいきなり週5で毎日6時間授業は難しいという事になりました。
そこで出てきた候補が定時制高校通信制高校です。

定時制高校とは

定時制高校と言われて親世代が考えるのは夜間学校。
昔はそうでした。
でも今の定時制高校は、もっとバラエティが増えてきています。

・夜間定時制
・昼夜間二部定時制
・三部定時制

「昼夜間二部定時制」は昼からと夜からの二部制。
「三部定時制」は朝からと昼からと夕方からの三部制。

定時制高校は、基本毎日4時間授業で4年間かけて単位を修得し、卒業します。
しかし、「昼夜二部定時制」や「三部定時制」は前後の時間にある授業をとって毎日6時間授業にすることで3年で卒業することも可能です。

定時制高校に通うメリット
・毎日4時間授業からで良いので授業のハードルが下がる
・朝ゆっくり支度して昼から授業を受けることもできる
・日中バイトして夜授業を受けられる

自分のライフスタイルを優先して高校卒業資格を取ることができます。
中学卒業後働きたい人や、不登校を経験して朝から週5で6時間授業が難しい人などの選択肢になるようです。

通信制高校とは

通信制高校とは、単位制の仕組みを最大限に活用し、高校卒業要件を自分のペースで選択できる高校です。

高校卒業要件

①通算3年間以上の修学
②74単位以上の習得
③特別活動への参加

登校日数や時間帯なども個々の状況に合わせて選べます。
例えば、週3日勉強して年に1回(4泊5日)スクーリングして3年間で高校卒業することもできます。
※ここに関しては個人差があり多種多様なのでここでは一例のみの紹介にします。

通信制高校に通うメリット
・オンラインで学習できる
・自分で単位の取り方を決められる
・出席が必須ではない
・専門コースや特別授業のある学校もある
・定時制高校よりも自由に使える時間が多い

出席が必須ではないので、外に出るのが難しい人やアスリートなど学校に通う時間が無い人の選択肢にもなっています。
学習時間が比較的自由に設定できるため、自分のやりたいことに多く時間を使いたい人にも人気があります。

※通信制高校の仕組みを詳しく書くと長くなりますので、知りたい方は
「通信制高校とは」と検索してみてください。

八王子拓真高等学校

ここは都立定時制高校です。
普通科・単位制・昼夜間定時制・チャレンジ枠を併設しています。

私たち親子がここに見学に行った理由は5つ。
①単位制なので1日4時間授業でも大丈夫
②3部の定時制なので昼から登校も可能
③基礎・基本からの学び直し学習もしている
④入試にチャレンジ枠がある
⑤都立高校である

※通学を前提で見学に行っているので「家から通える」は除外してあります。

①単位制

授業の取り方を自分で選べます。
3年間で卒業したければ1日6時間、4年間で卒業するには1日4時間とれば良いようです。

4年間学校に行っておらず学習も苦手な長男は、いきなり6時間授業が不安なようで、1日4時間ならできるかな?とそこに惹かれたようです。

②3部制

・午前を中心に学ぶⅠ部
・午後を中心に学ぶⅡ部
・夜間を中心に学ぶⅢ部
があります。
Ⅰ部は午前中だけで授業が終わり、Ⅱ部はお昼ご飯を食べてから授業が始まり夕方には終わり、Ⅲ部は夕方から夜9時過ぎまでの授業です。
※Ⅲ部の学生だけ夕方給食を食べることが出来ます。(希望制)

朝早く学校に行く自信がない長男は、昼からでも行けるなら、とこの昼間の定時制に興味をもちました。

③基礎・基本の学び直しができる

選択科目の中に国語・数学・英語の学び直し講座があります。
個別相談で「中学の学習ができていなくても大丈夫でしょうか?」と聞いてみたら「英語はアルファベット書くところからやりますよ」とのこと。
本人のやる気があれば高校で学び直しができそうです。

中学の学習ができないことが長男も親も不安なところです。
でも、学習が苦手な子のためにこういう授業を用意してくれている学校があることは本当にありがたいです。
この講座があるということで、長男の高校へ進学する不安が少し減ったようです。

④入試にチャレンジ枠がある

都立高校を受験するためには学力検査があります。
八王子拓真高校では入試に一般枠チャレンジ枠があります。
一般枠は、学力検査をして入る、一般の入試と同じものです。
チャレンジ枠は、学力検査や中学校からの調査書によらず、生徒の学習や学校生活への意欲を重視した入試を行っています。

東京都にはチャレンジスクールという学校があります。

チャレンジスクールとは、主に小・中学校で不登校の経験があったり、高校で中途退学を経験したりして、これまで能力や適性を十分に生かしきれなかった生徒が、自分の目標を見付け、それに向かってチャレンジする高校です。

冊子「令和5年度東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへ」より
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/archives/exam/files/pamphlet2023_japanese/10.8.pdf

八王子拓真高校は普通の定時制高校ですが、その中にチャレンジクラスを設け、そのクラスの入試がチャレンジ枠になっています。
チャレンジクラスは1学年Ⅰ部とⅡ部に1クラスずつしかないため、卒業までクラス替え無しです。
でも、同じように不登校を経験した子が多いため、周囲の反応が温かく理解もあるようです。
拓真高校は、全くのチャレンジスクールではないため、選択授業や部活などで一般クラスの生徒とも一緒になります。
それがメリットだと思う方は、ご検討されると良いと思います。

中学不登校の長男にとって学力検査が無くて面接と作文のみというのは希望があります。
面接も声の大きさではなく、本人のやる気を重視しているとのこと。
作文も今から練習すればできそうな内容です。
※過去の入試問題は説明会に行くともらえます。
 個別相談では入試についての質問も答えてくださいました。

⑤都立高校

八王子拓真高校は都立高校です。
なので学費は家庭に優しいです。
入学料、授業料、修学旅行積立金、教科書、生徒会費、標準服、上履きなど全て込みでも年間20万円以下です。
そこに「高等学校等就学支援金」で授業料の補助があるので、出費はもっと抑えられます。(所得制限あり)
※詳しくは東京都教育委員会や八王子拓真高校のHPをご参照ください。

我が家は3兄弟のため、あと2人進学が控えています。
裕福な家庭ではないので、3人とも高校から私立学校となると、なかなか厳しいです・・・

それ以外の良かったところ

・先生方の感じが良い
・一般クラスの生徒との交流がある
・都立高校なので広い
・近くに富士森公園という大きなグラウンドのあるこうえんがある
・就職指導に力を入れている
・地元の企業や学校と連携した進路指導が行われている
・標準服(制服)は強制ではない
・挨拶や身だしなみなどの指導
・部活時間が短い

不登校の長男にとってちょっと不安なところ

・染髪や化粧などは禁止
・校則は厳しい
・単位をとるには出席が必須
・完全なチャレンジスクールではないので、一般クラスの子が多く雰囲気が普通の学校のようなのかも
・1学年10クラスのマンモス校なので人数が多い

N高等学校・S高等学校

「うちの子、不登校で進学先が・・・」というと多くの人に「N高は?」と言われます。
通信制高校の中でも特に認知度が高い学校です。
2016年創設でここまで有名になったN高。
リアル陽キャ苦手な息子なのになぜか興味を示したので、行ってみました。

N高等学校・S高等学校と並列しましたが、この2つの学校は学べる内容は同じで、本校(スクーリングに行く場所)が違うだけなのです。
N高・・・沖縄県うるま市
S 高・・・茨城県つくば市

N高もS高も修学旅行がないので、修学旅行代わりに沖縄に行くか、頑張れば何とか帰れる距離の茨城に行くかの違いです。
なので普段のリアルキャンパス(サポート校)は「N高・S高」両方並列して書いてあります。

私たち親子がここに見学に行った理由は5つ。
①オンライン授業
②サポート校あり自分で選べる学習スタイル
③自分で選べる学習スタイル
④面白そうな部活

①オンライン授業

N高といえば、まずこれです!
説明会でも「ネットの学校です」とはっきり言っていました。
学習内容が全てオンラインでできます
※実技科目などのスクーリング(年間3~4日)は別。

学習も個人デバイスで映像を見て、レポートを提出するというもの。
生徒にはメンター(担任)がつき、月1回オンラインで面談。
スクールカウンセラーや部活、生徒会もオンラインです。

現在、N高の生徒数は約1万4千人、S高の生徒数は約1万千人。
そのうち通学している生徒は5千人程度だそう。
約2万人の生徒はオンラインで学習しているそうです。
学習はオンラインでできるので、通学は必須ではありません。
N高は始め、オンラインコースしかなかったけれど、生徒からリアルの通える場も欲しいという声があり、サポート校を作ったそうです。
来年もまた全国にサポート校が増えるようです。

②サポート校あり

全部ネットで自分でできるのがN高・S高のメリットですが、一人で家でやるのは難しい生徒や友達とのリアル交流が欲しい生徒もいます。
そんな生徒たちにはサポート校があるというのは嬉しいことです。

サポート校とは、通信制高校に通う生徒を支援するために設けられた学びの場(教室)です。
N高・S高では通学日数は1日・3日・5日から選べます。
通信制高校を3年で卒業するためにリアルでサポートしてくれます。

我が家であれば東京都在住なので、東京都内4校、神奈川県内2校あるサポート校の中で家から通いやすい場所を選ぶことが出来ます。

※サポート校の注意点
気を付けなければいけないのは、2つの学校に通うくらいの学費がかかるという事です。
通信制高校にサポート校は必須ではないため、通信制高校の授業料+サポート校通学費費用と2つ申し込みが必要です。
N高・S高と違ってそれがセットになっている学校もあるのですが学費は高いので、入ってから困らないように事前にちゃんと確認をした方がいいと思います。

③自分で選べる学習スタイル

N高・S高の必修授業は「ネット学習」「スクーリング」「課外授業」「テスト」です。
宿題はありません。
「宿題に費やす時間より、自分の興味あるものに時間を使った方が良い。」
と、説明会でも話していました。
この言葉、すべての学校関係者に聴かせたい!
私も保護者ではなく教員目線で大きく頷いてきました。

必修授業さえ受ければ高校卒業資格がとれるので、その資格だけが欲しい人はオンライン必修授業だけで後の時間は自由に使えます。
毎日学習するなら、オンラインで1時間半程度でいいとのこと!(あくまで目安です)
週に数日まとめて学習して、残りの日にバイトをしたり、好きなことをしたりと自由に時間が使えます。
通学せず自分のペースで学習が進められるので、アスリートが受講していたこともあるのだそうです。

必修授業とは別に、課外授業が盛りだくさん
このバラエティの多さと豪華さがN高・S高の強みだと思います。
この課外授業は、N高・S高が大事にしている好きなことを見つけたり、好きなことを好きなだけ学ぶということにつながっています。

例えば・・・
・大学受験対策(有名予備校講師によるオンライン授業)
・Webデザイン
・プログラミング
・動画クリエイター
・現役声優による声優授業、
・イラストレーターによる授業(ライブドローイングや作品添削など)
・特別授業(船橋 洋一、竹中平蔵、江川 達也など著名人による講座)
・海外留学制度
・職業体験

⇩書ききれないのでリンク貼っておきます

この講座内容、大人も受けたいレベルです。

④面白そうな部活

実際に通っている知り合いから部活の話を聴いたら、すごく面白そうだったので、この学校の部活に興味がありました。
部活によっては入部するために書類審査や面接があるものも。
その中で個人的にすごいな、と思った部活を。

起業部
 →起業に向けた実践的なプログラムや特別顧問・家入一真さんの講義。
  部の活動費は年間最大1,000万円の起業支援金?!
投資部
 →株式投資に挑戦することで、社会や経済の仕組みを実践的に学ぶ。
  特別顧問・村上世彰さんの特別講義。
  村上財団や角川ドワンゴ学園から提供される運用資金を元手に
  株式投資。
政治部
 →政治家と直接に触れ合う機会あり。
eスポーツ部
 →全国の高校生eスポーツ選手が一同に集結する大会「STAGE:0」での
  4年連続優勝。(2022年時点)

オンラインだとスケールが違います・・・
⇩これもリンク貼っておきます。

それ以外の良かったところ

・服装や髪形が自由
・生徒たちの個性がはっきりしている
・説明会の待ち時間や休憩時間にも動画を流していて飽きない
・サポート校は駅から近い
・好きなことで人と繋がれる

不登校の長男にとってちょっと不安なところ

・オンラインだけなので本人のやる気に左右される
・学費が高い
・説明会の動画を観ただけでは陽キャが多いように見える(個人の意見です)
・イベントが多い(参加は自由)

以上、「高校見学に行ってきた その1」では、2つの高校説明会に行ってきた私の感想でした。
どちらの高校も特徴があり、色々な選択肢があるな、と分かりました。
あと2つ高校見学に行く予定なので、また行った後に感想を書ければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?