「早い・安い・うまい」その一歩先にある顧客価値
日曜日のお昼は、吉野家でテイクアウトをしました。牛丼、おいしいですよね。時々すごく食べたくなります。
そんなわけで、今日は吉野家のお話です。
クッキング&コンフォートとは?!
わが家はドライブスルーを利用するのですが、必ずWEBサイトのメニュー表で注文するものを決めてから買いに行きます。
・・・でね、ずっと気になっていたんです。
クッキング&コンフォートって何?!
私は、市内に1軒しか吉野家が存在しないような地方に住んでいるので(ちなみにマクドナルドは0軒!)都会限定のお店であることは容易に想像できたのですが、やはり気になったので調べてみました。
また、こんな記事もありました。
なるほど。「早い・うまい・安い」をウリにしている吉野家は、回転率が恐ろしく高いことで有名ですが(一日平均60回転・・・!)本来ターゲットとしていた別の顧客層を取り込むための施策として、シックな内装の黒い吉野家が爆誕したというわけですね。
吉野家の損益計算書をチェック
では、吉野家がこのような施策を打った背景を決算書から見てみましょう。
そこで登場するのが損益計算書です。
今回もAIさんに聞いてみました。便利な世の中です。
つまり、損益計算書はビジネスの健全性や収益性を把握し、将来の戦略を検討する上で非常に役立つ情報源なのです。
以下、2022年度 吉野家ホールディングスの損益計算書(一部)になります。
グラフより読み取れること
グラフを見ると、2020年度の売上高と営業利益率がガクッと落ちているのがわかります。これはみなさんご存知の通り、新型コロナウイルスの影響による売上高の低下です。
2021年度には、感染拡大防止の協力金や雇用調整助成金などの収入を25億円計上したことで黒字となりましたが、それ以外の施策として打ち出されたのがテイクアウト販売の強化です。わが家もしっかり利用しています。
コロナ禍を経てテイクアウト産業が活発になった背景を、このような数字と図で見ると、やはりインパクトがありますね。
テイクアウト店舗の強み
一般に、テイクアウト店舗には立地に左右されにくく、客席スペースが不要、また固定費(家賃や光熱費、人件費等)が安く済むなどのメリットがあるとされます。
その上、これまで吉野家に入ったことがない人に対しても、テイクアウトなら敷居が低く、気軽に注文することができます。実際にテイクアウト店の顧客は新規が大半で、かつ女性客だそうです。
更に吉野家は既存店の機能充実と利便性向上のため、以下のシステム導入を強化しています。
◾️テイクアウト専用タブレット
◾️テイクアウト受取窓口
◾️テイクアウトロッカー
◾️ドライブスルー強化
これにより、店内の滞在時間が短縮され、非接触での完全対応も可能になります。
幅広い客層へのアプローチ
そもそも飲食店における売上高は、どのように成り立っているのでしょう?
正解は、売上高=客数×客単価 です。
更に吉野家は、客数をお客様支持のバロメーター、客単価を店舗体験価値の評価基準と捉えています。
この「客数=顧客支持」を高めるために、現在取り組んでいる新規顧客獲得策として、クッキング&コンフォート店舗の積極転換を進めているのです。
原材料高騰が叫ばれる世の中で、大手飲食チェーン店としていかに利益を出せるか。その大前提として、やはり売上を伸ばすことが必須であることは一目瞭然です。
「早い・安い・うまい」は、今もなお吉野家の魅力ではありますが、そこから一歩外へ出て新たな戦略を打ち続けることも同じくらい重要です。そんな吉野家のことをこれからも応援したいと思いました。
ちなみに、日曜日のテイクアウトで初めて牛黒カレーを食べました。
美味しかったけど、次は普通の牛丼を食べようと思います。だって吉野家だもの。
吉野家にはごめんやけど、カレーと言ったらやっぱりココイチよね。
飲食業界を一人勝ちするための施策がわかりやすく書かれているので、ぜひ読んでみてくださいー。
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