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【社会保険のメリット】国民年金・国民健康保険の違い(前編)

1.はじめに

今日は、以前、持続化給付金のQ&Aに関する記事において、軽くお話した【社会保険と国民年金・国民健康保険】についてです。

過去の記事 【持続化給付金Q&A(その2)

 皆さん『社会保険』という言葉自体はご存じだと思います。
 日本では、国民皆保険制度が採用されており、日本に居住している人は、社会保険(厚生年金・健康保険)か国民年金・国民健康保険のいずれかに加入しなければなりません。
 社会保険と国民年金・国民健康保険がよく対比されるのはこのためです。

 社会保険が、国民年金・国民健康保険に比べ、メリットが大きいということも皆さんご存じだと思います
 就職・転職活動の際、就職先が社会保険完備かどうかという点を重視する方も多くいらっしゃいます。

 今日は、社会保険のメリットについて、国民年金・国民健康保険と対比しつつお話します。

2.社会保険とは

 社会保険と一言で言っても、使い方によって意味合いが変わってきますので、まずはここから整理していきましょう。

 広い意味での社会保険とは、①厚生年金、②健康保険、③介護保険、④労災保険、⑤雇用保険を指して用いられます。
(このうち④と⑤を合わせて『労働保険』と呼ばれます。)

 他方、国民年金・国民健康保険との対比で用いられる社会保険とは、上記の5つのうち、主に①厚生年金と②健康保険を指します。

 そのため、この記事では、厚生年金健康保険という意味で『社会保険』という言葉と使っていきますので、頭の片隅に置いておいてください。

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3.厚生年金と国民年金

 何かと世間を騒がすことが多い年金ですが、公的な年金は、厚生年金国民年金の二種類です。

 国民年金は20歳以上になると加入することが法律上義務付けられ、国民年金は60歳になるまで、厚生年金は一般的には60歳や65歳の定年退職(最長70歳)まで保険料を納めることとなっています。
 そして、原則、65歳になると老齢年金として受給することができます。

 しかし、厚生年金と国民年金では、共に保険料を満額納めたとしても、受給額は厚生年金の方が間違いなく多くなります。

 これは、公的年金制度が国民年金を1階部分として、その2階部分に厚生年金が乗るという、いわゆる『2階建て』の仕組みで構成されているためです。
 また、厚生年金は『労使折半』として、会社と従業員が保険料を半分ずつ納めることになっているため、掛ける金額も増えていきます。

このような仕組みによって、厚生年金加入者の受給額は、国民年金加入者の受給額よりも高額になっています。

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4.健康保険について

 健康保険と聞いて思い浮かぶのは、医療機関を受診する際に保険証を提示することで、原則、医療費の自己負担割合が3割になることではないでしょうか?
 この自己負担割合は、現在では社会保険の健康保険であっても国民健康保険であっても変わりません。
(補足すると、以前は社会保険の健康保険については、自己負担割合が2割という時期もありましたが、社会保障費の増加により現在は3割負担となっています。)

しかし、社会保険の健康保険には、国民健康保険にはない保障があります。

傷病手当金

 【傷病手当金】とは、病気やけがで仕事を休み、給料が支給されないときや減額された場合に、もらえない分を補うために支給される手当金です。

 支給される金額がいくらかになるかについては、計算式がやや複雑なため今回は割愛しますが、月のお給料の約6割くらいです。

 6割であっても、もらえないよりは間違いなくありがたいはずですので、働けなくなった際のメリットとしては大きいと言えます。

※国民健康保険の場合も、新型コロナウイルス感染症に罹患し働けなくなった場合は、例外的に傷病手当金の対象とする運用が採られています。
(令和2年12月時点)

出産手当金

 【出産手当金】は、女性が被保険者として社会保険に加入している場合で、産前産後休業(産休)で仕事ができず、お給料が支給されない場合に、もらえない分を補うために支給される手当金です。

 出産手当金と似た制度として【出産育児一時金】があります。
 これは、子どもを出産した際の出産費用を賄うために支給されるもので、原則として、出産した子ども一人につき42万円が支給されます。
 こちらは、社会保険の健康保険、国民健康保険を問わず支給されます
(「支給」と述べていますが、ほとんどの場合、医療機関に支払う出産費用と相殺されるため、直接支給を受ける方が珍しいです。)

 また、育休期間中の給与補償として【育児休業給付金】という制度もあります。
 しかし、こちらは健康保険ではなく、雇用保険に加入していることが支給の条件となるため、健康保険に加入することで受けられる保障ではありません。

5.終わりに

 ここまで、年金と健康保険についてお話させていただきました。

 社会保険のメリットについてはまだありますが、長くなってしまいますので、今回はここまでにしようと思います。

 次回は、扶養制度を中心にお話させていただきます。

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