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会社の種類について

1.はじめに

 今日は『会社』についてのお話です。

 突然ですが「会社を設立しよう!」となるのは、どのようなときでしょうか?

 一念発起して新しい事業を始めたい!
 個人事業で売上が上がってきたから法人化したい!
 になりたい!

 会社を設立する動機は人それぞれかと思いますが、会社を設立する上で、一番最初に決めなければならないのが、「どの法人にするか」ということです。

 今日は、法律に定められている【会社の種類】について解説していきたいと思います。

※一般社団法人なども広く捉えれば会社に含まれるかもしれませんが、今回は会社法(会社の設立、運営、管理について定めた法律)に規定されているものについてのみ取り上げたいと思います。

2.法律に定められているのは全部で4種類

 会社と聞いて一番最初に思い浮かぶのが、『株式会社』ではないでしょうか?

 日本国内には約220万社の株式会社が存在し、この数が「会社といえば株式会社」ということを物語っているといえます。

 しかし、法律上は、株式会社も含め、4つの形態が設けられています。

 その4つとは、①株式会社、②合同会社、③合資会社、④合名会社です。

 ②から④は、まとめて『持分会社』と呼ばれています。

 これらに順番にみていきましょう。

図1

3.株式会社

 冒頭でも触れましたが、国内で最も数が多く、かつ、一番知名度が高い法人です。

 会社は株式を発行し、株主になりたい人が金銭等を出資して株式を取得することで「株主」となり、会社の意思決定や利益が出た場合の配当を受けることができるようになります。

 また、株主は基本的に会社の経営に関与することはなく、株主総会で意思決定ができるに過ぎません。
※規模の小さい株式会社の場合、一人の人間が株主と取締役を兼ねていることも多いです。

 株式会社の場合、株式の譲渡を受けることで、基本的に誰でも株主になれてしまうため、会社の乗っ取りが起こることもあります。
※このような乗っ取りを防ぐため、株式の譲渡にあたり会社の承認を必要とする「譲渡制限」を設けている会社がほとんどです。

4.合同会社

 合同会社は、株式会社と比べると知名度は下がりますが、持分会社の中でも株式会社に近い法人です。

 会社は「持分」を発行し、これを引き受ける者は金銭等を支払って「持分」という地位を取得します。「持分」を取得した人を『社員』といいます。

 株式会社との違いは、社員が経営権を持っていることです。
※上でも書いたように、小規模経営の場合、株式会社も取締役と株主を同じ人が兼ねている場合も多いので、実質的には違いがない場合も多いです。

5.合資会社・合名会社

 この二つの会社の一番の特徴は、『無限責任社員』が存在することです。

 無限責任社員とは、会社が倒産したときなどに、会社の債権者に対して負債総額の全額を支払う責任を負う社員です。
※株主は、会社が倒産した時でも株式を取得する際に出資した金額の範囲でしか責任を負いません(株式の価値がゼロになること)。
 また、合同会社の社員も持分を取得する際に出資した金額の範囲で責任を負うにとどまるため『有限責任社員』と呼ばれます。

 合資会社には、有限責任社員と無限責任社員の両方が存在します。

 他方、合名会社は、無限責任社員しか存在しません。

 会社の債権者に対して負債総額の全額を支払うという重い責任を負うということもあるためか、この二つの会社形態をとることはほとんどありません。

6.有限会社は?

 古くからの取引先などで『有限会社』という名称がついた会社を目にすることがあるかもしれません。

 有限会社とは、2006年以前の会社法において認められていた会社形態で、2006年5月の会社法施行に伴い廃止され、現在は設立することができません。

 もっとも、それまでに存在していた有限会社は、全てなくなるのではなく、株式会社に変更するか、有限会社の性質を残した「特例有限会社」として存続することを選択することができるとされてました。
 この特例有限会社は、現在の会社法上、株式会社の一種として扱われています。

 このため、現在も有限会社という名称を残して事業を行っている会社も存在するのです。

7.終わりに

 ここまで、会社法上の会社の種類について書かせてもらいました。

 会社を設立する際のほとんどが株式会社だと思いますが、設立費用を抑えて事業を始めたい場合には、合同会社も選択肢に含まれてきます。

 株式会社と合同会社の設立の際の異同については、また別の機会にお話させていただければと思います。

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