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シーズン2:第7話 フェイス Faith

クレアの演技が光る本エピソードはフランス編の最終話を飾るに相応しいです。

クレアの死産で始まる緊迫した手術シーンで緊張します。術後にベットでクレアに寄り添う犬ブトンが可愛い。産褥熱で死にかけるクレアを魔術?で救うレーモンのシーンがなかなか意外。そもそもタイムトラベルという超常現象が土台になっているドラマだけど、それ以外では魔法もドラゴンも出てこない至極現実的な設定になっている『アウトランダー』で不思議な力が登場する唯一のシーンです。これはどうしてなんだろう?

それにしても死産からの発熱でずっと病院に1人でいたクレアが可愛そうです。夫との連絡は取れず、死産だなんて悲劇にたった1人で向き合わなくてはならないなんて。せめて御屋敷の人が誰か付き添ってくれてもいいのでは。

クレア悲しみの帰宅シーンは使用人たちの思いやりや愛情と誠実に応えるクレアの姿が美しくて感動的で好き。ファーガスがクレアの髪を解かすシーンもいい。そしてファーガスの告白で決闘の理由を知るクレア。原作ではファーガスは幼い男娼でもあったハズだけど、ここのシーンはドラマと同じなのだろうか?

国王にバスティーユに捕えられたジェイミーの恩赦を懇願しに行くクレアの深いグリーンのドレスが美しい。王と座ってショコラを飲み、オレンジをもらうシーンでは、当時恐らく高級で珍しい果物だったオレンジの意味が気になりました。

王の交換条件その1:ラ・ダム・ブランシュとして真実を見抜くこと。ここで宿敵サン・ジェルマン伯爵に引導を渡したシーンはスッキリしたわ~。釈放され国外追放になるレーモンを見ながらクレアが思い出したという映画のセリフ “I’m going to miss you most of all.” 「あなたとのお別れが一番辛い」が何の映画か気になって調べてみました。『オズの魔法使い』でした!シーズン1でもこの映画のネタを使っていたクレアはかなりの『オズの魔法使い』好きということ?

王の交換条件その2:セックス。といっても、それだけでいいのね、ってくらい早くサクっと終わって良かった。変な趣味がある王様だと大変だもんね。

やっと釈放されて帰宅したジェイミーとクレアの対面、ここが本エピソードの山場。このシーンのクレアの衣装も美しいわ。ぎこちない2人の会話を部屋の時計の秒針音が際立たせます。「フェイスと名付けるなんて、マザーは何てユーモアのセンスをしてるのかしら」というクレアのセリフはこの事態を皮肉っているのだと思うけど、夫婦の間にフェイス(誠実さ)が無いってこと?ジェイミーが約束を破ったから?理解不足なのでもっと説明欲しい。クレアの抑え気味で深い感情をこらえた表情に胸を打たれます。その一方でちょっとジェイミーが力不足に感じる。「俺も君を救うためにランダルに身をゆだねたのだから同じだ、構わない」、「君が何をしても許す」とかじゃなくて、「一番苦しくて辛い時に一緒にいられなくて悪かった」と謝ってもいいのじゃないかい?まー、とにかく2人で背負って行ってよ。

フェイスのお墓参りをする2人のシーンは美しかった。クレアのベール姿が美しいのと、お墓に手を付きながらも、クレアが右手をジェイミーに差し出し、彼がしっかり握るシーンで夫婦仲は修復されたのだなと、ほっとしました。


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