シーズン2:第13話 時を超えて Dragonfly in Amber
シーズン2最終話はシリーズを通しての見所、涙なしでは見られない名場面が胸に迫ります。ティッシュの用意は必須!
カローデンの戦いがどうなるのか、そんな視聴者のドキドキをよそにドラマはクレアの元の世界から始まります。シーズン2の第1話が石を通って元の世界に戻ったクレアから始まったのに対して、最終話では年齢を重ねた(でも美しい)クレアが赤毛の娘ブリアナと神父のお葬式を訪ねたシーンから始まります。
神父の養子ロジャーとブリアナがスコットランドを散策する一方で、クレアが20年ぶりに訪ねた先はジェイミーの故郷、ラリーブロッホ。廃墟となった屋敷の階段に座り、門にジェイミーの姿を幻に見るクレアの気持ちいかほどかと胸が締め付けられそう。
カローデン資料館を訪ねたクレアが苦い想いで展示を眺めていると、そこにあの乞食のモンローからもらった結婚祝いが展示されているのを見つけます。クレアは最後にジェイミーにこれを渡しているのだから、これってジェイミーが戦死した証拠と言ってもいいのでは、胸が重くなる。
それからクレアがカローデン古戦場のフレイザー墓標を訪ねるシーンも感動的。クレアの前に墓標に花を手向けていた女性からフレイザーなのかと訊かれ、そうだと答えるクレアの言葉には迷いが無く、深い気持ちがこもっているのがわかりました。墓標に手向けられた小さなピンク色の花束はハイランドに自生するヘザーの花束。小道具も完璧です。クレアが墓標に向かってジェイミーのいない20年のブリアナの成長を語りかけ、最後に今まで言えなかった「さようなら」を言うシーンではもう涙腺が!
カローデン直前の奇襲も失敗して、最後の手段として王子を殺そうと言い出すクレア。やっぱり怖い人だ。あれ?医者になる前は人を傷つけない誓いはしてないんだっけ?結局はドゥーガルに聞かれてしまい、ジェイミーが伯父さんを殺さねばならなくなる。悲劇の歯車が回り出すともう止まらないのね。最後にクレアも手を貸してドゥーガルを殺したけれど、原作ではジェイミーが1人で手を下したそうで、撮影時にそのバージョンも撮ったけれど、クレアなら黙って見ているのではなく手を貸したはずということで変更されたそう。
クレアから遂に自分の出生の真実を聞いたブリアナが事実を受け止められず、母親に怒りをぶつけ続けるシーンはクレアが不憫でした。信じろと言う方が土台難しいことだけど。そして元の世界にいたダンカンの足どりをクレアが追うシーンはもっと短縮してくれてよかったのにと思います。早くカローデンを見せてくれ。
遂に万策が尽きたジェイミーは最後に自分の土地とクランを救うための行動に。そしてフランスで約束したように、クレアに元の世界に帰るように求めます。ここで妊娠3ヶ月を知っていたジェイミーに驚くとともに感動!妻の毎月の生理を把握している夫がどれだけいるだろうか?しかもあの戦場の混乱の中で。世界一の夫だよ、シビれた!
再び2人が立ったクレイグナデューンの丘。クレアの “I’m not ready!” の悲しい叫びが刺さる。石から音が聞こえるクレアに対し、自分には何も聞こえないというジェイミーだけど、石に手を伸ばして触れるシーンではドキドキしてしまいました。そうよね、ジェイミーはこの時代の人物。
クレアを託すフランクに対し感謝していると同時に骨の髄まで憎んでいるというセリフもジェイミーの表情や声のトーンで気持ちが痛い程伝わる。そしてここでシーズン締め括りの名セリフが。“ Lord, ye gave me a rare woman, and God! I Loved her well.” ジェイミーの表情に集中しながらここはリピートで見たい。
最後のセックスはお互いの全てをもう1度記憶に刻むため、そして結婚の誓い “You’re blood of my blood, bone of my bone.” を唱え合い、遠くの砲撃音に時が来たことを悟る2人。石までの数メートルのダンスはただお互いの顔だけを見てクレアをエスコートしたいから。「愛しているわ」「俺も、君を」石にクレアの手を重ねる直前にジェイミーの目からこぼれる大粒の涙にもう涙腺崩壊です。ああ、こんなにも歴史は無情なのね。
ダンカンが石を通る様子を見たブリアナとロジャーが石の近くでざわめく音を両者ともに聞こえると言うのは今後のシーズンの前フリ。前のシーンでジェイミーが聞こえないと言っているのと対比させているから、勘のいい視聴者は気付くという仕組みなんだね!クレアの話を真実だと知った2人がクレアにジェイミーがカローデンで生き残った史実を伝えるとクレアは希望の光を見出す。何てドラマチックな最終話!
ただ最後に残念だったのはエンドクレジットの曲。歴史と愛の奇跡に打ち震える最後で、ドラムから始まるバンド演奏曲で〆るってどういうセンス?オープニング曲と同じ感じの繊細で美しい曲にして欲しかった!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?