「面白い」小説を書こう(小説の作法)

 とは言ったものの。
「私、書きたいものを書きたいだけなんで。別につまんないと思われてもいいし。」
 っていうなら、はい、それでいいと思います。
 特に、最初はそれでいいと思います。
 シーンを書く練習にはなります。
 がんがん、書きましょう。
 書かないよりは、書く方がいいです。間違いなく。

 しかしながら、最近は、無料公開するサービスがたくさんあります。
 発表しやすくなりました。
 気軽に、書いて、発表する。読んでもらう。それを繰り返すわけですが。
 ある程度書いてくると、だんだん、読者のウケが気になってくるものなんですよね。
 なんで私の小説はあまりウケないんだろう……。
 なんでこの作品はウケて、この作品はウケないんだろう……。
 ただ自分が「書きたい」だったのが、読者に「ウケたい」も加わってくる。
 読者を意識し始める。
 こうなったら、あなたも、作家の仲間です。「面白い」について考える時期です。

 面白い? たとえば悲劇なんて、面白いものじゃないでしょう? と思うかもしれませんが。
 言い換えれば「つまらなくない」ってことです。

 恋愛ものだけど、つまらない。
 歴史の人物の話だけど、つまらない。
 怖い話だけど、つまらない。
 感動的な話だけど、つまらない。
 悲しい話だけど、つまらない。
 難しくておまけに、つまらない。
 くだらないし、つまらない。
 全部、がっかりしますよね。
 どんなジャンル、どんな内容であっても、面白いことは必須です。

 では、面白くするにはどうするか?
 人物の魅力とか、要素をあげていけばキリがないんですが。
 話という点に注目すると、大きく三つあります。

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