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「STEP」デザインの話。

zanpan 1stアルバム「STEP」
たくさんの方に手に取って、聞いてもらえて、喜びを噛み締めている日々です。重ね重ね、ありがとうございます。

リリースというものをもう何度も行ってきて、その中でも、今回ほど反響を頂けたことは多分なくて。さまざまな情緒が溢れています…が、この話はまた別の機会に。

僭越ながら、今回も全面的にパッケージデザインを担当させて頂きました。
で、そんなデザインにまつわる裏話をするバンドマンもあんまりいないだろ、と高を括り、
やや無粋ではありますが、そんな話を少しだけ。

今回のデザインの中心にあるのは、フィルム写真です。
僕が高校の頃写真部でフィルム写真をやってたってのが一番の要因なのですが…。

キャリアで初めてのアルバムが、これまでを総括する僕らにとってまさに「アルバム」(※写真)となるような、メモリアルな意味合いを与えたい、と思ったのがきっかけでした。

フィルムカメラって、カシャっと一瞬シャッターを切ったら、それっきりプレビューも加工もなくて。
あとから現像してわかるその時の空気や色合い、その場を丸ごと切り取ったような質感が、
不可逆的な一歩一歩を積み重ねては振り返る日々をそのまま表現するかのように思えて。

実際、どんな写真が撮れてるかわからなくて、現像して初めて素材のチェックができる、という
ちょいとヒヤヒヤな、でもガシャポンみたいで面白い日々でもありました。

高校時代に買った一眼フィルムカメラを復活して使いました。

(ただ使いたくて使うだけでも、悪じゃないんだけど、なにか必要に迫られて使う方が、自分で納得もできるし、説得力もあるし。)

なので歌詞カードの中では、各曲の持つ個性にならう形で、主に今の活動エリアである「郡山」「東京」の風景を貼り付けました。
すべての写真に意味があり、あるいは「写真が無い」ということにもまた意味があります。
はっとしてもらえる写真ばかりだと思います。

そして何よりジャケット写真は、地元民ならお気づきのとおり郡山駅です。確か朝6時半頃でした。

やっぱり、この場所から始まっていくバンドだし、そうありたいと思っているので、

変に洒落っ気づこうかというよりも、正面から地元に向き合うような写真になりました。

一見作品とは何ら関係なさそうな写真ですが、

(この「手」が今にも届きそうな空、
「形」を変えつつ流れる雲、
「決して快晴とは言えない」天気、
「アラームが鳴る」くらいの時間帯、
僕らの「日常」が息づく土地…)

ヒントはたくさん。

やや東京フレンドパークみ溢れるタイトルフォントもいいよね、気に入ってます。

正直、表現のスタイルとしてはちょっと地味な気もしていましたが、
空想委員会・三浦さんがこのアルバムに寄せてくれたコメントが、ある意味それを肯定してくれたような気も勝手にして、今ではお気に入りです。

そして、何よりこのデジタル音楽の時代に(配信もあるっていうのに)、あえて盤を買ってくれた人たちが「買ってよかった」と思えるように、一生懸命遊んだつもりです。

きょうびCDも一度取り込みが済めばあとはインテリアみたいなもんかもしれませんが、

時に読み返したくなるような瞬間が今後もし訪れれば、その時STEPが「アルバム」として完成する…ような気がします。

「擦り切れるまで聴きます」

なんて言ってくれた方もいました。

泣くぞ!!

CD擦り切れやしないけどな!!

ゾッコンにならなくてもいいから、それよりいつまでも残る一枚であってほしいな、と僕は思います。

ちなみにベースで言うと「がっかりした」「かたち」「ロックンロールとは」あたりのフレージングが超お気に入りです。たまにはベースにも耳を傾けてみてね。

p.s.

最後に、そんな思い入れたっぷりの本作でわたくし、致命的なミスを犯しました。


最後の曲の歌詞の、最後の一節だけが、ややフォントサイズが大きめになっていて、
こう、なんというか、想い込もってる感が出てしまっておりますが…、
こちらは完全なる凡ミスです。

これ、誤字脱字ほどの実害がない割に、そういうのの57倍くらい恥ずかしいやつなんで、あえて公表しました。マジで、そういうつもりじゃなかったんです…。
ほかにも数カ所、細かーいところでフォントミスが数点ありますんで、ぜひ探してみてください(?)。

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