ベイスターズの現状①

1.現状
80試合経過時点で38勝37敗5分、勝率.507の三位。優勝は絶望的な状況です。今回は今シーズンの80試合経過時点の成績を基に各選手の短評をまとめていきます。

2.投手

2.1 先発

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個々の寸評
今シーズンの最大のサプライズは大貫の覚醒でしょう。最初の2登板はKOされ、二軍降格寸前でしたが、その後の登板で素晴らしいピッチングを見せローテ入りしました。以降、非常に安定した投球で現状1番手といえます。
濱口は開幕から本調子とはいかないものの、四死球を出しながらも大崩れせずローテを守ってくれていることは評価できます。今年は6回が課題でなかなかQSも増えませんが、5回途中を1~2失点でまとめており、印象より結果は悪くないです。
井納はこの数シーズンの中では最も良く、見事に復活を果たしました。序盤は休ませながら起用する予定でしたが、離脱者が多いことからローテに入り、安定したピッチングを見せています。
平良は開幕から非常に良い投球で一時は防御率トップとなるなど、右のエースと呼べる活躍でした。ただ、毎シーズン離脱することがあり、今年も背中の違和感で登録抹消となっています。ピッチング内容は文句なしなので、いかにケガを防げるかが課題となります。
今永も平良と同様、離脱がなければエースの投手であるので、来期フルシーズン活躍することを期待したいです。
上茶谷は肘の違和感で出遅れたものの、2年目のジンクスを感じさせることはなく、先日のタイガース戦では完封勝利を挙げるなど、成長を見せました。特にここ最近のピッチングではストレートの強さが増しており、着実に良くなっています。
ピープルズは先発が不足した場合に上がってくることが多いですが、ローテに残るほどの活躍とはいきませんでした。値段相応といえばそれまでですが、来期残留は厳しいかもしれません。
坂本は初登板で素晴らしいピッチングをしたものの、ベースカバーで足首を捻挫し、思ったよりも長いリハビリを強いられました。一軍に戻ってきてからは、まずまずの投球でローテ入りしています。ケガはもったいなかったですが、ある程度一軍でやれるところを見せてくれたのは来期に向けて大きいでしょう。
京山は序盤は二軍でも投げず、やや調整不足で一軍に呼ばれてしまったところがありましたが、高卒4年目とはいえ、一軍の経験が多いのも頷ける投球で現在はローテ入りしています。四死球率は悪くありませんが、コマンドに課題を見せます。阪口・中川・櫻井とは1ランク違うところを見せたのは流石で、もう一皮剥けることを大いに期待しています。
阪口・中川・櫻井については、一軍の先発が不足したところでチャンスを得ましたが、それぞれモノにはできませんでした。しかしながら、高卒3年目ということを考えれば各々順調に成長していることには違いないでしょう。先発としては、現状阪口が一歩リードか。
そのほか、ブルペンデーでパットン・武藤・伊勢が1度ずつ先発をしていますがが、敢えて入れる必要はないと思い、表には記載していません。

総評
右腕では、大貫・井納・平良・上茶谷・京山、左腕では、濱口・今永・坂本と質の高さは屈指の先発陣です。
しかし、ケガが多くなかなか揃うことがないことが課題です。先発の少なさから、高卒3年目勢の登板(5試合)やブルペンデー(3試合)に繋がっており、長いシーズンを戦うには量が足りていないことを痛感した年になりました。
投球数の管理はキッチリとしており、ケガからの復帰も慎重に段階を踏ませていることもわかるので、来期以降にこの経験を活かしてほしいところです。

2・2 中継ぎ

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個々の寸評
山﨑が開幕から不調の中、代役的に三嶋が守護神として抑えを担っています。個人的には筒香が抜ける損失よりも山﨑が抜ける損失の方が大きいと考えており、メジャー移籍後の抑え問題が喫緊の課題であると思っていました。今シーズンまさかこのようなことになるとは想定していませんでしたが、9回に三嶋がハマったことは何より大きかったでしょう。三嶋まで抑えがハマらなかったら、早々に終戦していた可能性すらあったと考えます。敢えて三嶋を守護神としたラミレス監督の慧眼にも敬意を表したいです。
石田も昨シーズンから中継ぎとしての適性の高さを見せており、今シーズンはエスコバーが当初出遅れていたことから開幕から中継ぎ起用となりました。序盤は圧倒的な安定感があり、その後少し調子を落としましたが期待通りの活躍を続けています。
エスコバーは開幕の出遅れを感じさせない登板ペースで、基本的には勝ちパターンの投手ですが、回跨ぎや連投を厭わない姿が印象的です。彼の存在にベイスターズ中継ぎ陣は非常に助けられているといっても過言ではないでしょう。
国吉は便利屋的な起用でありますが、一定の信頼を勝ち取っており、時には勝ちパターン、時には回跨ぎなど役割が決まらない中、安定的に活躍しています。
パットンは序盤の調子が悪く、勝ちパターンから外れたものの、ボールの勢いがあり勝ちパターンでも起用されるほどです。
平田は今シーズン信頼を得たひとりです。オープン戦から良いボールを投げており、ビハインドロングから今では火消しの役割を任されるまでになりました。アバウトながらボールのキレが素晴らしく、本人にとっても自信を深めたシーズンになるのではないでしょうか。
最大の誤算は山﨑の不調です。昨シーズンまでの活躍からここまで打ち込まれるとは誰も想像できなかったでしょう。ただ、頭の悪い選手ではないですし、不器用な選手でもないので、来シーズンはある程度復活できるだろうと考えています。まずは、心身をリフレッシュして戻ってきてほしいです。
武藤はロングリリーフをメインに少ない登板ながら、役割を全うしました。先発として3回1失点など苦しい時期を支えました。
伊勢はMAX154km/sをマークし、今シーズンの活躍もさることながら、来シーズンに向けて期待の筆頭の投手です。ストレートの勢いで押しながら、コントロールも悪くなく、入れ替わりの少ないリリーフに久しぶりに新星が現れました。
そのほか、一軍で三上・進藤・藤岡が数試合登板したが定着には至っていません。

総評
勝利の方程式が定まっていないリリーフですが、ある程度役割が固まってきました。
勝ちパターンとしては、8回石田、9回三嶋(Aチームの便利屋的起用のエスコバー)
僅差ビハインドや相性次第の勝ち継投として、国吉・パットン・平田・(伊勢)
主にビハインドやロングリリーフとして、山﨑・武藤・伊勢(三上・進藤・藤岡)
という分担で落ち着いています。
先発の投球管理などで、リーグの中でも登板機会が多いリリーフ陣でありますが、しっかりと管理されており(エスコバー除く…)離脱者がいないことはその証明となるでしょう。
山﨑はこんなところで終わる選手ではないので、来期完全復活してくれると信じています。

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